人生を変える一番シンプルな方法―世界のリーダーたちが実践するセドナメソッド
「感じている感情を認めた上で手放していこう」という趣旨の本です。
「とにかくネガティブな感情はなくさなければ」ではなく、手放せない場合も「今はそれでよい」と自分に許可するという点が興味深く、また気楽にやれます。気持ちが楽になるという点では即効性が感じられました。ノートを使って書き出したりする方法も紹介されていますが、内容は瞑想に近いものだと思います。
星4つなのは一部の訳語が独特だからです。説明が丁寧なので意味は見当がつくのですが、目標達成法などの本を読み慣れている人には違和感があるかもしれません。
「いつでもポジティブに」という方法が合わないという方にはお勧めです。
刑務所なう。
自分のことをカッコイいと思っている。
服役することをカッコイいと思っている。
有名人の友達がいることをカッコイいと思っている。
すごい人なんだろうが、本を読んで分かったことは、本物にはなれないんだろうなぁということ。
改心というか、悔い改める気はないのだろう。
自分は正しいと思うが、世間では認められなかった。
変わるきはない。そんな感じ?
こんな大人にはなりたくないなー、と思った。
夜と霧 新版
以前からヴィクトール・E・フランクル博士の名前だけは知っていました。また、この本が読むべき本であるということも。
しかし、なかなか読む気になれずにいた本でした。
それは、その内容が悲惨な体験記であることをなんとなく予想していたからでした。
#原題は「心理学者、強制収容所を体験する」
実際に読むと、やはり悲惨な体験記ではありました。
それでも、読み終わったときには、不思議とさわやかな気持ちになり、読んで良かったと思いました。
#生きる(苦しむことや死ぬことも含む)うえで、
#そのときどきの状況を自分の真価を発揮する機会
#としてとらえていこう。
世界的なロングセラーにもかかわらず、自分から積極的に探さないと、書店で見かける機会は少ないのではないかと思いますが、これはホントに読むべきです。
抵抗-死刑囚は逃げた [DVD]
息を潜め、耳を澄ます…。
主人公(と観客)は全編これを続けることになる。 聞こえる音は、靴音・霧笛・鐘の音・壁を叩く音・市電の音・列車の音・自転車の軋む音…。
この映画、4回程度しか音楽はかからない。 会話は最低限、あとはモノローグのみ(そうせざる得ない状況だ)。 禁欲的な描写でアクションはほぼない。
だが退屈している暇は無い。 一瞬の油断も許されない綿密な作業。 静かで淡々と進む映画だが常に緊張感が途切れない。 見ていて(こっちが)疲れてしまうほど。
まったく無駄がない映画だ。
舞台はナチス占領下のフランス・リヨンのモンリュック監獄。 ナチス抵抗運動で捕らえられた青年が脱獄に挑む。
全編主人公の視点のみで語られる。 観客は主人公とともに少しづつ監獄の状況を知り、脱獄の準備から実行までを目撃することになる。
映画のほとんどが脱獄の準備などの描写に費やされる。(脱獄実行シーンは終盤の約20分弱 ← ここの静かなスリルもいい)
周到な準備やルートの確保(扉の破壊等)は手に汗握る。 何も無いところから少しずつ’脱獄’を組み立てていくスリル。非常に精密な描写だ。
さらに、何時部屋の中を看守に点検されるかという恐怖。 ばれたら銃殺という中、常に生命の危険を感じながら地道な作業を進める主人公。 何度も聞こえる看守の足音と、聞こえるたびに作業をとめて耳を澄ます主人公が印象的。
‘脱獄映画’には『大脱走』『第十七捕虜収容所』『アルカトラズからの脱出』などの多くの秀作があるが、脱獄そのものを丁寧に描いたという点でその頂点が本作だと思う。
また、息が詰まるようなテイストは密室映画的でもある。 寡黙な最小限の登場人物で構成された映画。 感情の発露を抑えた徹底的にドライなタッチも映画にあっている。
1956年公開作ということなのだが、古くなっていない。 豊かな娯楽性をもつ映画だ。
同封のリーフレットも詳細ですばらしい。ブレッソン監督の芸術性や宗教的な視点からの解説は非常に参考になった。
が、私にとってこの映画の第一印象は
「見事に禁欲的な‘娯楽’サスペンス」だ。
芸術性だけではなく十分娯楽映画としても楽しめる映画です。
未見の方、是非。