ハミングライフ 通常版 [DVD]
演技・脚本・映像・音楽と、どれを取っても見るべきものがなにもない映画ではあるが、だからこそ主演・西山茉希の存在感が際立っている。
彼女が演じるのは、上京したての夢を追うだけでまだ何者にもなりきれない、等身大の若者の姿。
当然、ふだんファッション誌やCMで見せる華やかなメイク姿の彼女はそこにはおらず、素顔に近い自然体の姿で演技に当たっている。
だけど、飾らないことで、メイクも衣装も抑え目にすることで、それがますます彼女の美貌を際立たせており、そのポテンシャルの高さに驚かされた。
まさに未来への可能性を力強く示唆する、図らずもこの映画のストーリー、ヒロインのキャラクターを、過不足なく表現する逸材だといえるだろう。
むろん、演技に関してはお世辞にも巧いとは言えない。
だけどモデルという存在は、たとえなんの才能もなく人格も知性も優れていないとしても、ただそこにいるだけでどんな偉人よりも価値がある存在だということを、この映画はなによりも雄弁に教えてくれる。
彼女の存在感を邪魔しない程度に流れるBGMみたいなドーデモいい脚本も功を奏し、西山茉希のイメージ映像として、過不足ない仕上がりの一本だ。
さばドル DVD レギュラーBOX
このドラマを見始めてすっかり虜になってしまった。
まゆゆどころか、AKB48にもまったく興味はなく、むしろ
世間が騒いでいるのが不思議なくらいだったのだけど。
しかし、なにげに深夜にやっていた「さばドル」を
たまたま仕事帰りの疲れた時に見たのだが、38才で
教師とアイドルをやっている(ふつうあり得ない設定
だけど)しじみを見ていたらなんかがんばっている
なと。本物のアイドル渡辺麻友が実際にいるだけに、
あり得るはづのないリアリティーを感じてしまった。
まあ、演技が特別うまいというわけでもないんだけど
なんか惹きつける魅力を感じます。なにがってうまく
言えないが、1つだけ麻友さんの魅力ではっきりと
感じたものがあります。それは、声です。一流の声優
のような魅力のある声をしています。それが、時に
アイドル、時に冴えない女教師、時にラジオのパー
ソナリティーと上手に使い分けています。ファンに
とっては、まゆゆの可愛さが一番なのでしょうが、
私は、魅力ある女優としての将来性を感じたドラマ
でした。
僕の好きな人が、よく眠れますように (角川文庫)
主人公の通う大学院にやってきたゲスト研究員。彼女が既婚者だということはわかっていたのに どうしようもなく惹かれあってしまったふたり。
こんなふうに書くと 一時流行った韓流ドラマ?もしくは昼ドラ?
みたいな印象を抱くかもしれないがそこは中村航のストーリー。そんなのものではない。
微笑ましいくらいに爽やかに でも 互いを想う熱い想いがひしひしと伝わってくる。
出会っちゃったんだろうな 運命の人に。
落ちちゃったんだろうな 一生のうちに幾度もない本当の恋に。
直視してしまえば 今のこの幸せが
雪のように溶けて消えてしまいそうな 難しい現実がそびえ立っているというのに。
私が書くと こんなクサくて 陳腐になってしまうのに
この作品は声を荒げないことばで 淡々と でも確実にそれを描き、読み手に伝えてくる。
魅力的な脇役も秀逸。
「坂本さん」な木戸さん。キュートな妹。
ともすれば重くなりがちなストーリーに笑いを添え かろやかさを醸し出している。
あなたが提案した 万感の思いを込めた握手。
握手という行為でこんなにも涙したのは初めてですよ 木戸さん。
エンディングには賛否両論あると思いますが、
木戸さん曰く 「マグレと気まぐれしかないこの世」で
互いに出会えた「僕」とめぐは 厳しい現実はあれどやっぱり幸せだと思うし
こんな素敵な作品に出会えたマグレに 私は感謝します。
100回泣くこと (小学館文庫)
・アラフォーとなった自分にはちょっと無理のある小説だったかも.
・小説世界そのものより、自分の経験を思い返す時間となった.
かつての20代前半の頃の恋人のこと、闘病後に亡くなった身内の
こと・・
・主人公2人の世界は、記述は少ないものの、2人の言い回しが本当に
どこかにいそうな二人と思えてよい.