虹の彼方に(下) 機動戦士ガンダムUC(10) (角川文庫)
これだけ生き生きとモビルスーツの軌道を描ける作家さんがいたとは!もともと実力のある作家さんだとは知っていましたが、ガンダム書いてここまでドハマりするとは想像を絶していました。福井さん、アナタはただのガンヲタだったのですねwと言いたくなるほどニヤニヤする描写がふんだんに盛り込まれた作品です。
シナンジュが初登場する様なんぞ、読んだだけで頭の中に、「隕石を蹴りながら三倍の速度でネェル・アーガマに接近する映像」が浮かぶような描写です。
映画もよくやってますが、小説版では細かい描写が描かれているので、個人的にはこちらを読んだ後に映画版を見ると、頭の中の映像と比べられて面白いと思います。
しかしこの人の文才・・・正直、御大将が書いた小説よりも全然おもしろいです(ヒソヒソw)。
虹の彼方 (集英社文庫)
流れるように読むことができます。主題は、エイジレスへの渇望でしょうか。作家の、それへの思いが、えぐるように、ここそこに描かれています。恋愛小説という以前に、主人公ではなく作家自身の、老いへの怖れと立ち向かい方の葛藤が、浮かび上がっています。作家が、それを企図したのであれば、それは成功しているように思います。「間に合ってよかった」「ふたりとも年齢不詳、エイジレスって感じ」これが、主題をつなぐキーワードではないでしょうか。
虹の彼方に (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)
ステンドグラス職人の娘として育ったマリアンナ。彼女は崩れかけた
教会で、ひとりのイギリス人公爵ジョーダンと出会います。彼は幻の
ステンドグラス「天国に続く窓」を追っていた。今ではマリアンナしか
知るものはいません。そこにはヨーロッパの命運を左右しかねない、秘密が
かくされていた…。
結局は後見人と称したジョーダンと結婚をすることになるのですが、
マリアンナの心に秘めた「天国に続く窓」については口にしようとはしません。
最後の最後まで、祖母と母の無念を晴らすことに奔走します。彼女のその
強さにひたすら感動しました。
虹の彼方に (講談社文庫)
2000年から2006年までのコラム記事のまとめです。内容といえば旧聞に属し、その時の時事問題を思い出せない時もありましたが、その辺りは「あとがき」でうまくまとめ・取り繕っています。
著者の見解には同意できない点も多いのですが、「なるほど」と思わせてくれる着目点や視点が多いのも事実。
「この6年間で世界が暴力的になった」になるほどと思いながら,「人間が理性を取り戻す」方向には進んでいないと、ため息をつきながらどくりょうしました。