生と死の幻想
私は本作を米国在住時に聴いたため、異国のセレモニーのイメージが漂う。セレモニーといっても、おそらく葬儀か、送別か。同じグループによる「残氓」の迫力も凄いが、Death and flowerではパーカッションやピアノが織りなすハイセンスなリズムの上で、サックスがテーマを奏でる。Prayerは葬送のように、より静的になる。でも哀しくない。ピアノが柔らかく包み込むベールのように、やさしく守ってくれる。Great birdでも聴けるように、キースのアメリカン・バンドではアルトサックス、パーカッション(多種入っている)までフルに入ってきた、多彩な楽器が無国籍ぶりというのか、キースのバンドでなければ聴けない音を構成していると思う。最近、スタンダーズトリオでもフリーや即興を始めているようなので、将来本作のような曲がキースのバンドからまた聴けるかもしれないと思うと楽しみだ。
公共哲学 政治における道徳を考える (ちくま学芸文庫)
アメリカの大学教師たちが以前から維持している政治的スタンスは、社会を護るためのリベラルな反体制主義であるが、その典型的な議論を集約したとも言える論文集が本書であろう。基本的に民主党 vs. 共和党との20世紀の政治史的展開と大統領選の結果がレーガン以降崩れた原因を包括的に分析した論文が多数挿入されており、日本からは見えにくい政治文脈を的確に整理しており、公共哲学を超えて、政治理論のあり方を強く問い直しており、日本の未熟な政治風土ととは一線を画す民主主義のあり方とその実践としてのアメリカ政治史半世紀の盛衰を分析してもおり、政治における<公共>のあり方をアメリカ社会を通じて分析しており、興味深い。
流石に公共哲学と名付けられた本書は、哲学の理論的構成とその実践としてのアメリカ大統領選の分析は、実に興味深い。その一方で、民主主義の理論構築に勤しんだ様々な哲学者の理論を検証したり、ジョン・デユーイのそれをリチャード・ローティと比較したり、かなり優秀な論文の集積だが、当初から文庫本として刊行された1冊。巧みな語りに今を忘れて読みふけられる実践哲学を記録した戒著。公共の理論構築関係概念を、ジョン・デューイやリチャード・ローティと比較しているが、これも大変斬新な手法である。 (デトロイト GM本社前の公園から対岸のカナダを臨みながら、この公園には労働者を顕彰したVoices for Laborという公共芸術作品がある。)
Dewey: The Small-town Library-cat Who Touched the World
猫と図書館という組み合わせは、
猫好き×本好きには、おとぎ話のようですが、
これはリアルなお話です。
デューイは、凍てつく寒さの中、
返却ボックスに置いてけぼりにされた経験の持ち主。
そんな絶望的な運命を無駄に悲観することなく、
自分の居場所を見つけ、
周りの人に愛を与え、愛され、
天寿を全うした生き様がつづられています。
人生を見つめ直すことができる1冊です!
ファイアー・ドッグ 消防犬デューイの大冒険(特別編) [DVD]
僕は、ツタヤで何十回もレンタルして観て、あまりにも面白かったので買いました。
コメディなので大半は僕のような10歳〜15歳ぐらいの子供が見るでしょう。
だが、普通は大抵子供の間で人気が途切れる作品が多いんですが、この、作品は、大人も子供と一緒に見たら、泣けて、笑えて楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまうでしょう。
なので、ぜひ、お勧めします!!
シェイズ
日本でのキース・ジャレットの人気は、その叙情性にあるみたいですが、異様に明るいキースはいかがでしょうか。おかげで、この作品、日本ではほとんど評価されていません。オーネット門下から招いたメンバーが、オーネットばりのフリージャズを展開しています。それまでの、宝の持ち腐れを反省したのでしょうか。しかし、メンバーのオーネット流R&Bサウンドをしり目に、キース一人だけニューオーリンズからカリブ海に飛んでいます。サックスのデューイ・レッドマンは、オーネット流フリージャズがやくわからないキースにいらだちながら吹いてます。チャーリ・ヘイデン、ポール・モチアンも昔をしのんで楽しんでます。今の彼らの姿はここにはありません。確かに裏ベストです。評価もそのあたりで1と5を!足して2で割りました。明るい、夏のドライブ向けのキース・ジャレットいかがでしょうか。