ベスト・クラシック100
CD6枚組みなので、1曲1曲のボリュームも安心です。
EMIレーベルということで、クオリティも相当高いと思います。
特にクラシック初心者にはもってこいですね。
有名な曲のオンパレードですので、このCDだけでもかなり楽しめますし、
このCDを手始めにクラシックの世界をさらに広げていくことも可能です。
また、CDごとにテーマ(元気がでる、リラックスなど)が設定されてますので、
気軽にBGMとしてもいかがでしょうか。プレゼントにもお勧めです。
最後に、CD6枚組みにもかかわらず、CD2枚組み程度のコンパクトな
パッケージも嬉しいところです。
グリーグ:作品集
最近クラシック音楽をよく聴くようになったきっかけのCDです☆
夜行急行列車のモーニングソングで朝が流れててこれ良いなと思い購入し、即はまりました☆
アニトラの踊り、アラビアの踊りなど思わず曲に合わせて踊りたくなるほどに楽しい曲です^^
ベートーヴェン:ピアノソナタ第17番&第21番&第26番
テンペストの録音の素晴らしさは特筆に価します。まるで目の前でギレリスがピアノを弾いているようです。もちろん演奏も素晴らしく、ベートーベンが私たちに伝えたかったことを作曲家の代わりに伝えてくれているように感じます。
ギレリスは鋼鉄のタッチと言われますが、フォルテッシモがあるからピアニッシモが活きるのだと思います。けして硬くはありません。繊細で叙情的です。この演奏は崇高な気持ちにさせてくれます。
ギレリスは一枚聴くとすべて聴きたくなります。もしも、この一枚しかお持ちでないなら、『Beethoven Sonatas - Emil Gilels』をお勧めします。全32曲のうちの録音した29曲が入っています。他の演奏もこのテンペストと同じ録音なら買いなおそうかと考えています。なお、そのアルバムの内容は『Piano Sonatas / Variations』と同一のようです。
エミール・ギレリス もうひとつのロシア・ピアニズム 著者:G.B.Gordon 訳:森松皓子(単行本)
日本でエミール・ギレリスは「鋼鉄のピアニスト」というキャッチフレーズで知られた。強靭な技術だが人間味を欠く、という印象である。ラドゥー・ルプーが「千人に一人のリリシスト」(のちに「百万人に〜」に格上げ)と呼ばれ、叙情のみの人という損な印象をもたれたのと逆である。一体誰が言い出したのか。そして何故、無神経に使われ続けたのか。評論家の多くはこの件で加害者であった。無批判に信じた愛好家は共犯である。
また雑誌の企画で「ショパンを弾かない名演奏家」という遊びがあった。挙がったのはグールド、バックハウス、ケンプ、父ゼルキン、ブレンデル、そしてギレリスもあったと記憶する。しかし本書にもあるように、ギレリスはショパンを沢山弾いているのだ。もっとも、残された録音は(日本では)名盤とされていない。初めて聴いたときには違和感が大きかった。それもマスコミの洗脳の結果だったかもしれない。
そうした日本の音楽マスコミにどっぷり浸かっていた私は、ソ連のピアニストではリヒテルが一番、ギレリスは優れたピアニストだが常にその後塵を拝する存在、として位置づけていた。リヒテルは確かに大きな音楽を作る「巨人」(これもマスコミのキャッチフレーズ)である。しかし私は、ギレリスを不当に矮小化していなかったか。彼のベートーヴェンにはあんなにお世話になったのに。グリーグの叙情小曲集。某有名ピアニストと聴き比べ、ギレリスが別格であることを、あれほど思い知らされたのに。
本書はギレリスの評伝というよりも、徹頭徹尾、ギレリス賛歌である。著者の熱意に辟易するところも多いが、古い認識へのアンチテーゼとして、本書は意義深いと思う。日本語訳も見事。いずれはこの、逆側に偏った本を超克して、公平なギレリス像が世に示されることを願う。
それにしても、絶対権力、そして、批評家という人種は、度し難い。前者はときに芸術を彫琢する。しかし後者は….。