芦原妃名子さんの絵柄は昔から「お姫様」ふうであまり好きではありませんでした（ロングヘアばかりだし）。ただ、人生を重ねてアラフォーになった今、自らを見つめつつ同じアラフォーの２人が「結婚」へ向かっていく経緯は興味が引かれます。この３巻のあと、主人公のマンガ家時代の担当編集者が出てくるのですけど、位置づけがまだ不明確。単にイギリスパンと角食パンの違いの話を出したかっただけなのか、パンの耳の調理の話をしたかっただけなのかが未だ疑問です。これは次の４巻での話になりますけどね。基本的に短編が光る作者で、砂時計やPiece はたまたま売れて「引き伸ばしただけ」なのかなと、文庫版を読み直して考えることもあります。

ただ、細切れのオムニバスストーリーが混在しているなという感じはします。あと作者の体力的な事情なのか、ほぼ１年ごとに単行本が出ることで、日ごろ Cocohana を読んでないコミックス派の読者には何の事やらと感じられるかも知れません。私は自分で購入した Cocohana を患者さんの娯楽室に置いてますけど、こちらはぼろぼろになるまで読まれています。出版元がホーム社から集英社クリエイティブに変わってから、ちょっと単行本の出し方が変わったかな、それだけ単行本を買う人が減ったのかと考え込むこともあります。

＃ 例えば３号で潰れた少女漫画雑誌・別冊マーガレットのさらに別冊の bianca に掲載された羽柴麻央さんの「星の子」は単行本になったのに、香魚子さんの「Between us」などが単行本になってないなど、変な単行本の出し方だなと考えることは多いです。共にストーリーは非常に優れているのですけれど。(香魚子は自分でストーリーが作れないと言う人はコミックス派なのでしょう。bianca そのものはぼろぼろになりながら、小児科病棟で読み継がれています)