第1章，第2章で基本的なところを押さえて，第3章からこれらを気候学を理解するために応用するスタイルになっており，気候学を学ぶためのひとつの道筋が示されている感じがします．

私は既に何冊かこういう気象学/気候学の入門書は読んだのですが，気温減率はこうだとか，ハドレー循環はこうだとか，基本的な知識の羅列であることが多く，それらを体系的に紐付けるにはなかなか至らないでいました．この本ではそういう基本的な知識を気候学を研究するためのツールとして用いており，こうやって使えばいいんだ！と感じました．

気候学を学ぶ初めての人にはやわらかいタッチで記された本書は好感の持てる一冊になると思います．すでにある程度知識をお持ちの方には，ぜひもう一度戻ってきて読みたい本です．気候学について頭の中が整理されます．