まあとりあえずこれをきっかけにいちど原作をどうぞおすすめ度
★★★★☆
酷評も多いが、衣装や映像、脚本の作り方などは言われるほどに悪くないです。
百鬼丸登場の際の手相占いの演出や、どろろがそう名乗るくだり、ふたりの仇を醍醐景光にまとめる作り、景光の人間像への踏み込みなど、むしろ原作よりも優れている点も多々ありますから。
妻夫木さんの演技も殺陣もめちゃめちゃ巧いですね。驚きました…。映像表現や衣装の雰囲気も相まってかれの美少年ぶりが映える映える。
ただ魔物の表現が難しいところですね、この手の映画は…。
下手なCGやメイクがギャグに見えてしまうので…。
蛇と桜の巨大な魔物のシーンなんかは端折ったほうがよかったでしょう。
ぎゃくに鴉の魔物なんかは人間サイズで武器を持って戦うタイプのため、殺陣での演出で魅せやすいので安心して観られました。
原作がすごくいいので、親子の複雑な愛憎関係は鬼気迫るものがあり、よし。
やはり柴咲コウの演技が…下手とは思わないまでも、違和感が残るものでした。
妻夫木さんと無理にセットにする必要はなかったかな。
面白い
おすすめ度 ★★★★★
原作もゲームも好きですが、映画は映画でとても楽しめました。
妻夫木聡と柴咲コウ、どちらもハマリ役だなと思います。
続編とても楽しみです。
概要
戦乱の世で天下統一の野望を抱いた武将・醍醐景光は、これから生まれる自分の子供を48体の魔物にさし出し、代わりに強大な力を得た。一方、体の48か所を奪われて誕生した赤ん坊は、呪医師・寿海の秘術によって救われた。かくして成長した赤ん坊=百鬼丸は、自分の体を取り戻すために魔物を倒す旅に出る。そんな中で百鬼丸は女性ながら戦乱の世を逃れるために男の格好をしたコソ泥・どろろと知り合い、共に旅をするように…。
早くも続編2作の製作も決定したファンタスティックな時代劇。とはいえ、別に日本の歴史に応対しているわけではなく、どこの国ともいつの時代とも分からないファンタジーとして作りあげている。手塚治虫の原作漫画の映画化だが、原作の世界をまんま映画化するというよりは香港映画の“古裳片”系の仕上がり。ただそれらの魑魅魍魎VS百鬼丸の闘いの映像がメインになっている割には切れ味が悪く、もったいなさが感じられた。続編ではその辺の改変していただき、もっとカッコイイ映像を期待したい。役者たちの熱演ぶりは素晴らしかったのだから。(横森 文)