ファンタジーなラブロマンスです。おすすめ度
★★★★☆
まずこの作品はサスペンスというジャンル分けがされているんですが、主人公が現在
の状況を変えるために日記を読んで過去に戻ったりするのでSFに近いと思いました。
もっと言うと、過去に戻れる理由について、特に説明はなく、ほとんど超能力のよう
な感じに描かれているので、ファンタジーのようでもあります。というか、最後まで
見るとファンタジーなラブロマンスという表現が一番良いのではないかと思いました。
人によってはつっこみどころもあると思いますが、あまり細かいことを気にしなけれ
ば内容はとても面白いと思いました。中盤からのめまぐるしい展開はうまく伏線が張
られていて最後まで目が離せません。個人的な意見としては、主人公が何度も過去に
戻ってやり直す姿は必死に頑張っているようで、往生際が悪いようにも見えてしまい
ました。ただ、最後はうまくまとまっていて、感動的だったので、気持ちよく見終え
ることができました。
せつないけどいいおすすめ度
★★★★★
面白い。個人的には好きです。「タイムアクセル」を彷彿とさせるが、こちらの方が凝っている。人が生きていく上で様々な現実がそれぞれの人生にある。自分の抑止力と判断力のタイミングの差で様々に運命が変わる可能性がある。それが人生であり世界である。しかし自分の行動と関係無しに不幸になる人ももちろんいる。例え他人の自己中心的な行為で自分に災難が降りかかろうとも、大人であれば他人のせいだと言う事は負け惜しみと判断されても仕方無いが、対象が判断力の無い子供であれば別である。大人がしっかりと人間として育てないといけないのである。別に私は綺麗事を言いたいのではない。もちろん富んだ国の住人の理想を語る綺麗ごとかもしれない。しかし懊悩するのは大人だけでいいが、幼少期に植えつけられた懊悩はトラウマとなって成長したその国で生きる大人に影を指すのである。よってその国の道徳を他の形態が異なる社会に押し付けるのは単純であり必ずしも正しいとは言えない。友愛が自己満足な自分愛に変わるのである。話がそれたので戻そう。はたして主人公は自己中心的だろうか?主人公とケイリーの二人の愛の映画と絞って考えたら主人公の行動は納得できる。互いに愛する二人、しかし自分の存在を彼女の人生から無くす事が悪因から彼女を救う唯一の方法だと最後に気付くのである。「出会ったから好きになった。でも出会わない方が彼女は幸福だった。時の魔法よ我に力を!」という事だ。なんとも切ないではないか。「ファイナルデスティネーション」は逃れられない運命を描きそれが恐怖となって新感覚のホラー映画を作り出した。「デッドコースター」では運命の糸を断ち切り逃れる。もちろん主人公だけだが、本作も主人公本位に展開するのは、それは映画の主人公が見る物の投影としての存在であり、希望を抱かせる存在としてそこで動いているのだから当然なのである。ラストは個人的にはお互いに見ず知らずの二人が互いを確認する新たな出会いの始まりとして描いて欲しかったが、しかしそこまではやり過ぎな感じもするし、そうすればこれまでのメッセージ性が全て失われてしまうのである。運命の糸など存在しないとするこの結末の方が、ここまでの主人公の純粋な愛の行動をも高めるのである。私はどちらかと言うとロマンチスト的な考えが好きだが、アンチロマンチストを装った真の愛が感じられる本作が好きだ。
ロリコン変態オヤジの犠牲者が過去を変えようとする物語。おすすめ度
★★★★☆
夢オチ・・・・と思わせて、最後にあのエンディングを持ってきたのは中々良かった!
特典のもう一つのエンディングは蛇足かな?と個人的には思うんだけど
・・・まあ、特典だから別に気にならないかな。
けど、はっきり言ってこの映画は、昔からあるSF映画の設定・ストーリー展開の焼き直しだから、
昔からのSF映画好きには、ちょっと楽しめないかも。
特に時間旅行を扱ったアニメやドラマではよく見られる展開。
夢オチで終わっていたら、日本の人気オムニバスドラマ番組「世にも○×な物語」と同じ感じになったいただろうけど、
やっぱそこは映画。ちゃんとエンディングを考えているなあ。
僕らは各々相対的に干渉し合うベクトルだ
おすすめ度 ★★★★★
映画は2004年1月23日リリース。タイトルの『バタフライ・エフェクト』というのは所謂カオス理論の思考実験の一つで、『カオスな系では、初期条件のわずかな差が時間とともに拡大して、結果に大きな違いをもたらす』ということを詩的に表した表現だ。よく言う『風が吹けば桶屋が儲かる』のようなもので『北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる』や、『アマゾンを舞う1匹の蝶の羽ばたきが、遠く離れたシカゴに大雨を降らせる』といった表現がしばしば使われる。
エンド・ロールに出てくるがSFX効果は『MAYA』を使ったようだ。この映像効果が非常に効果的で、カオスな映画に仕上がっている。それを、アシュトン・カッチャー(エヴァン)、エイミー・スマート(ケイリー)、ウィリアム・リー・スコット(トミー)が見事に演じ分けている。その上、各年代の子役も実に芸達者だ。そういう土台の上に脚本がイイのだから本国アメリカで初登場1位を記録し、興行収入5,794万ドルというのも頷ける。
観ていて思う。確かに僕らは各々相対的に干渉し合うベクトルなのだ。その干渉の仕方が少し異なるだけでも結果は大きく違ってくる。交差しなくなったベクトルはひたすら離れていくだけだ。でも時にこの映画のように『無かったこと』にしたくなる。
概要
劇場公開された週末の興行収益のよさもさることながら、『バタフライ・エフェクト』は家で、後ろめたく思いながら見るのもまた楽しい作品だ。脚本兼監督のエリック・ブレス、J・マッキー・グラバーのコンビ(2人は『デッドコースター』の原案を書いている)は、場当たり的に論理が展開するルールを崩しておらず、品のないサスペンスである本作も不快感をいっぱいにして、永遠の破滅が魅力的な選択肢に思えるように仕立ててある。アシュトン・カッチャーが、TVシリーズ「That '70s Show」のキャラクターとは逆転して、心理学を学ぶ大学生を演じる。彼は子供のころの日記を読み返して、自分の過去を訪れ、トラウマになっている出来事を変えることができることに気づき、以前の不幸な結果を良くしたいと願う。だがその代わりに、「バタフライ・エフェクト」というカオス理論(本作の題名であり、『ジュラシック・パーク』でジェフ・ゴールドブラムが演じたキャラクターによって有名になった理論)による向こう見ずな経験が、悪夢のように続く様々な出来事となる。どの出来事も彼や彼の友人たちにとって悲惨な結末となる。この興味深い前提条件は、いくつかの面白いひねりによって探求されるが、児童ポルノ、動物虐待、神を冒涜する暴力的な子どもたちといったわき筋によって娯楽映画と呼べる作品になっている。(Jeff Shannon, Amazon.com)