アンがもっと好きになる本おすすめ度
★★★★★
松本訳「赤毛のアン」で、英米文学などの注釈を読みましたが、
この本では、そうした謎ときのいちばん面白いところを、
カラー写真をつけて、初心者にもわかりやすく、まとめています。
「赤毛のアン」で、アンが話す「ロミオとジュリエット」の意味、
ギルバートがメイフワラーの花でアンに愛を告白したこと、
イエスの聖杯探索の詩から、マシューが隣人愛の騎士だということ、
アンの話すスコットランド語、リンド夫人が編むベッドカバー...
初めて知ることもたくさんありました。
「アンの愛情」の舞台の1つ1つが、カナダに実在すること。
アンが通った大学の校舎、下宿の前のお墓、パティの家がある通り、
ギルバートと歩く公園、プロポーズされる所などのカラー写真は、
見ているだけでも、新鮮で、わくわくします。
アンとダイアナが友情を誓う場面で咲いている花も、
以前は、どんな植物か、イメージが浮かびませんでしたが、
石鹸のサボンソウ、虫よけのサザンウッド、ケマンソウなどの
写真があり、ダイアナのきれいな花壇が、よくわかりました。
マリラの母性愛、マシューと神の愛など「秘められた愛」の章は、
涙が出ます。
豪華なオールカラーで、たくさんの写真と図があり、
文章は、ですます調の優しい雰囲気。
本のデザインもロマンチックで、おすすめです。
「赤毛のアン」の楽しみ方がぐっと広がりました。
詳しい解説と豊富な写真
おすすめ度 ★★★★★
「赤毛のアン」のシリーズの解説と
関連する写真やイラストを豊富に収録した本。
内容は以下の通りです。
1. 写真でたどるアンの物語
(グリーンゲイブルズの内装から
アンが通っていた大学のモデルになった大学まで様々)
2. 秘められた愛の物語
(マリラ、マシュー、ギルバートが示す愛情を読み解く)
3. 物語に香る英文学
4. キリスト教の愛と聖書のことば
(物語に引用されている英文学や聖書の言葉から、著者の意図を読み解く)
5. 暮らしと社会
(アヴォンリーの草花や登場するごちそうについて)
6. 謎とき『赤毛のアン』
(物語をより楽しむための解説)
7. 写真でたどるモンゴメリの生涯
(様々な年代のモンゴメリがすごした部屋や家の写真などとともに)
著者は「赤毛のアン」の訳者でもあり、解説が詳しいです。
マリラの愛情の読み解きでは涙がこみあげてきます。
ギルバートの贈り物と花言葉との読み解きも素敵でした。
写真も美しく、特に歓びの白い路は素敵でした。