輝く日蓮おすすめ度
★★★★★
長谷川一夫の日蓮と違って、こちらは日蓮の生い立ちから亡くなるまでを描いています。
萬屋錦之介演じる日蓮は、激しく感情を表に出し、情熱や思いを全身で表現しており、一夫とまた違った日蓮像を作り上げています。
ですが、弟子や彼を崇拝する人々に向ける暖かい眼差しと慈愛は、一夫も萬錦も変わらず、観ている私も熱くなるものがありました。
この作品の名場面と言えるのが、日蓮が処刑されそうになる時、彼が法華経を唱えると突然、超常現象が起こるシーンで、彼のアップで背後が神々しい光に包まれる場面。この場面を観た時「おいおい!錦ちゃん光っちゃったよォ!!」と思い、素晴らしい!と感じつつ、正直笑ってしまいました。 この画は本当にイイですよ!!
あの人がこの映画に・・・
おすすめ度 ★★★★★
~日蓮聖人はきっとこんな人だったんじゃないかなと思うほど、人間味ある日蓮を演じてる萬屋錦之介がピッタリとはまっている。他の出演者にも有名人が多く、あの人がこんな役を・・・と映画の内容以外でも楽しめます。
出演・・・田村高廣/岸田今日子/中村嘉葎雄/中村光輝/江原真二郎/松坂慶子/丹波哲郎/野際陽子/松本幸四郎/松方弘樹/田中邦枝/永島敏行・・・見て~~損のない映画です。~
概要
承久4年、安房の小湊に生まれた善日丸は仏門に入り、名を蓮長と改めて厳しい修行を重ねるが、禅や念仏では民衆の窮状を救えないと悩み、十数年の遍歴を経て法華経こそ釈迦の正しい教えを受け継ぐ教えと確信し、名を日蓮(萬屋錦之介)と改めて、鎌倉幕府の厳しい弾圧にもめげず、布教活動を続けていくが…。
大映社長時代に『日蓮と蒙古大襲来』を製作した永田雅一が、自社プロダクションで日蓮の波乱の生涯をリメイクしたスペクタクル時代劇大作。こちらは日蓮の激しい性格がさらに際立つ作りとなっており、萬屋錦之介の熱演もそれに輪をかけているかのようだ。両作品とも法華経の教えそのものが映画を観てもよくわからないのが不満ではあり、伝記映画と割り切って接した方がすっきりする。監督は松竹文芸映画の名匠・中村登で、これが遺作となった。蒙古襲来のシーンは『日蓮と蒙古大襲来』の特撮シーンを流用。もっとも優れているのは芥川也寸志の音楽で、彼の晩年の代表作といっても過言ではない、気合の入った重厚な出来となっている。(増當竜也)