妖が見えるらしい小学生の男の子カイに自分の小さいころを重ねて、守ってやりたいと思う夏目。結果として、知らずに名取さんの仕事を邪魔してしまうのだが、その名取さんの態度に変化が見える。今までとは違い、夏目には夏目のやり方があるのだからと認め、きつい言葉を使ったことを謝るあたり、夏目を一人前として扱い始めている気配がある。夏目の側も、自分の中のいろいろな感情を知り始め、戸惑いつつも余裕が出てきている感じで、なかなかいい。なので、1冊丸ごと「夏目」の話でなくても満足度は高い。
今までとは違う雰囲気おすすめ度
★★★★★
夏目はある日、カイという名前の少年と出会う。どういうわけかカイは妖に狙われているよらしい。妖が見えるカイにかっての自分を重ねた夏目はカイを守ろうとするが――
1話毎に様々な妖と関わる読みきり形式で進んできた夏目ですが、この巻の話は連続物となっております。しかし一冊の中に一つのエピソードを完全収録していますので、続きは次の巻でということはありません。今までの巻のように色んな出会いや別れが沢山あるということは無いですが、今回の話は読みきり形式では出来ない展開です。
またこの巻では友人帳を使って名前を返す場面がありません。レイコさん絡みではなく、純粋に夏目自身が妖に関わっている巻でもあります。妖とも人とも関わるのがどこか不器用な夏目。どちらも大切だと思えるようになった彼が出す答えは?
特別編として子狐の妖が夏目に会いにいくお話や、ヒノエとレイコの出会いを描いたお話が収録。また読みきりで『まなびやの隅』が収録されています。先生を好きになった女子生徒が主人公のお話。主人公の切ない気持ちが伝わり、先生の一挙一動にドキドキしました。時間に余裕がある時に、ゆっくりと味わって欲しい内容です。
切なさがぎゅっと詰まった読み切り短編「まなびやの隅」。著者のあたたかな眼差しも素敵だったなおすすめ度
★★★★☆
「夏目友人帳」シリーズの後に収められていた読み切り短編、とある高校を舞台に、人が人を好きになるどうしようもない想いを描き出した「まなびやの隅(すみ)」。あたたかくて、そして切ないこの話が、とてもよかったです。
野田かな子という主人公の女子高生が、とっつきづらいなあと思ってた先生に、だんだんに惹かれていく。好きになっていく。押さえようとしてもあふれ、こぼれてしまう「好き!」っていう気持ち。それが、著者のあたたかな眼差しで掬い上げられていたところに、ぐっときちゃった。
「夏目友人帳」シリーズでは、特別編の「夏目観察帳 4」が、個人的に一番のお気に入り。第4巻の「夏目観察帳 1」に出てきた、母を亡くしたチビ狐の物語。「なんとかして、夏目に会いたい」という子狐の気持ちが切なくて、胸がじんわり、ほっこり、あったかくなりました。
カイという名の不思議な少年をめぐる本編、第二十、二十一、二十二話では、夏目を守る用心棒の妖(あやかし)、とてとて歩くニャンコ先生のキャラがユーモラスで、かわいかったなー。夏目の友人・タキが、「だめだ あまりの可愛さに我慢出来ない!!」と言って、ニャンコ先生をぎゅーっと抱き締めるコマに、「分かる分かる」と思わず共感。招き猫姿のニャンコ先生見てると、ほのぼのとしてなごみますねぇ。
夏目のススメ★
おすすめ度 ★★★★★
6巻の本編は妖に狙われている男の子・石尾カイとのエピソードのみとなってマス
そこにタキ・名取さんも絡んできて・・・
夏目が「君にとって大事なものは人なのか妖なのかどちらかに決めたらどうだ」と言われるシーン
夏目にとってはどちらもとても近くて大事な存在なだけに選ばなければならない時があるのか〜としんみり
ラストはいつも以上に口惜しい思いが残りました
第20〜22話に加え、特別編では以前にも登場した子狐と夏目の再会・レイコとヒノエの出会い話の2編が登場
こちらは優しくて和みました(笑)
また短編読切「まなびやの隅」が同時収録されています
先生×生徒モノですが、緑川さんらしく純水感溢れる仕上がりとなってます
すごく好きデス!!
ということでがっつりというより小味の効いた友人帳でした