英雄譚であり教訓譚。昔ゝあるところに〜っていう絵本のようなノリでまったり観てれば中々面白い。二時間弱の尺で話が上手く纏められているし、伝えたい事がよく分かる。途中から話が読めてしまうがロードオブザリングの様にダラダラ長い割に、何を伝えたいのか焦点の定まらないファンタジーよりは良いと思う。ベオウルフも、凄いけれど駄目なところがたくさんあるのが人間臭くて好きだ。完璧な英雄など嘘くせえって思うから。
大人が楽しむ絵本おすすめ度
★★★★☆
「ベオウルフ」という題名で、これは3作目。
最初はクリストファー・ランバート主演。
次に出たのがジェラルド・バトラー主演。そしてこれが三つ目「レイ・ウィンストン主演」。
ストーリーは、3作とも微妙に異なるが、勿論大筋では変わらない。
「クリストファー・ランバート」のは非常にファンタジックな出来だった。
「ジェラルド・バトラー」のはなぜか安っぽいできに、大いにがっかりした覚えがある。
本作は「大人が楽しめる絵本」と言う感じ。
悪くはないが、やけに「これはCG」とはっきり判ってしまうCGが目立ち、少々興ざめした。
本作品の見所は二つ。一つは「レイ・ウィンストンの見事に鍛え上げられた肉体」。下半身が微妙に見えないシーンは「おまけ」と言う感じ。ストーリーから離れて、笑えるシーンだった。
もう一つは「アンジェリーナ・ジョリー」の見事なプロポーション。
ラストシーンでは、水面からアンジェリーナ・ジョリーが顔を出す。今までの2作にはなかった「これからどうなる?」という気になる終わり方。余韻があっていい感じ!!
「敵方と取引してもいいことなんてない」という典型的な教訓を残す作品。
おすすめ度 ★★★☆☆
ファンタジーですね。デンマークが舞台と言うのは珍しいと思います。
王国に禍を為す怪物を退治するために、王はベオウルフという知己の勇者に依頼を出す。
その勇猛さを以って敵の潜む洞窟へと足を進めるベオウルフだが・・・なんと倒すべき悪魔の甘言に乗り取引をしてしまう。
偽りの討伐の功により王位を譲られたベオウルフ。前王の妃も引き継いで栄耀栄華は思いのままかと思われたが・・・・・。
この話はゲーム「ドラゴンクエスト」(初作ね)で、ラスボスの「竜王」に最後の戦いを前に対峙した時に「世界の半分をやるから味方にならんか?」と誘われて「ハイ」と答えたらどうなるのかを映画化した作品ですね。つまりは(笑)。
自分が辿った道が「前王も辿った誤った道」であったことを王となったベオウルフが知ったのは、悪魔が契約を破棄し「自らとベオウルフとの間に生まれた息子」をけし掛けて三度王国を危機に陥れたときであった!
自らの蒔いた種を刈らねばならなくなった勇者にかつての威勢はない・・・。
人間はどんなに強靭な人間であっても老い、そして死んでいくのである。
一時の甘言に乗ってしまう「人の愚かさ」。「地位」「名声」「富」に囚われる心の弱さこそが悪魔にとっての「最もおいしいエサ」であったのだろう。
戦死したベオウルフの葬儀が終わり、後を継いで王となったかつてのベオウルフの従者であった男の前に現れた悪魔。
「歴史がまた繰り返されることを示唆したかのようなラストシーン」には考えさせられるものはあるな。
概要
日本ではそこまで浸透していないが、ヨーロッパなどではかなりおなじみな本作。そもそも原作は勇士べオウルフの冒険を記した叙事詩で、英文学最古のものなのだそうだ。それを今回は独自の解釈を取り混ぜつつ、3DCGで、しかも『ポーラー・エクスプレス』と同じ最新のパフォーマンス・キャプチャー技術で映画化している。なんでもロバート・ゼメキス監督はこの技術がたいそう気に入っていて「もう実写には戻れない」とまで言っているそう。まぁSF好きなら俳優の表情そのものがコンピューター上に作られていく感覚そのものの面白さはわかるし、どんな映像もどんな構図も想いのままに作れる楽しさも理解できる。が、それがイコール観客にとっての楽しさに繋がるかというとそれは違うのではないだろうか。正直、今回もCGでなきゃできない映像がたっぷり駆使されているが、それが「どうだすごいだろ、こんなことができるんだよCGだと」という思いが見え見えでうざく感じてしまうのだ。個人的にはすっ裸で巨人と戦うべオウルフの男の急所がいろんなものに隠れて見えないという、『オースティン・パワーズ』のようなシーンをわざわざCGでやってのけたセンスには爆笑したが、それ以外は楽しかったことは楽しかったけど、感動には結びつかなかった。でも技術発展のためにもゼメキスはこれからも作り続けていくのだろうし、それはそれで応援したい。(横森文)