神、さもなくば残念。――2000年代アニメ思想批評
今世紀の日本のアニメについて、今から入門書を読みたい読者にも、すでに今世紀アニメを愛好していて「考えさせられる批評を読みたい」読者にも、どちらにも対応できる書籍。
また、「アニメに切り口を求めた哲学の議論」や、「とりあえず若い人の話題についていきたいという希望」などにも、最適だろう。
また、「アニメに切り口を求めた哲学の議論」や、「とりあえず若い人の話題についていきたいという希望」などにも、最適だろう。
ネメシスの虐笑S (講談社BOX)
推理小説、翻訳、神秘思想研究、アニメ評論と様々な分野で活躍する著者が、
なんと今度は美少女ゲーム&ライトノベルに挑戦!
高校編の「ネメシスの虐笑 S」。
小説版では主に、鈴木大拙を愛読する神智学少女―衿橋美耶が
神智学、ヒンディー語、ミステリーと様々な広範囲に渡る知識を披露し、
主人公達の周りで起こる事件や謎を
解き明かしていきます。
そして、美少女ゲームのファンなら、
本書の、ヴァン・ダインとノックスの推理小説の戒律と
美少女ゲームを掛けた「美少女ゲームの戒律」の章は、うんうんと
頷いたり、クスリとくるものがあるでしょう。
そして、10章では、社会主義者として有名な幸徳秋水が、
実は神智学徒で、大逆事件もそのことと関わっていたのではないか、
という話題で盛り上がりを見せます。
高校卒業後の「ネメシスの虐笑 G」。
小説のミステリーは、1章ごとに事件や謎が解決する
短編型だったのですが、
ゲームでは、一人のグラフィッカーを巡った、長編ミステリーを
展開します。私はミステリーの部分に関しては、ゲームの方が
おもしろかったです。
私は小説の方もおもしろいと感じたのですが、
小説の方は、趣向が合う・合わないが分かれるところがあると思いますので、
小説を読んでみて面白いと感じたら、そのまま読み進め次にゲームをやり、
もし小説の方がいまいちピンとこないと感じたなら、先にゲームの方からプレイするのもいいかもしれません。
ゲームの方で過去話として小説に書かれた高校時代の話が出てきますが、
小説を読まなくても、ゲームをやる時に困るような事は無かったのでご安心ください。
エンディングは全部で4つあります。
初回プレイ時は選択肢が無く、決まった1つのエンディングに向かいます。
そして2回目プレイから、選択肢を選べるようになり、
残った3つのエンディングが解放されます。
時間は長すぎず、不足無くという感じです。
複雑な選択肢はなかったので、攻略にそこまで苦労することはないはずです。
全エンドを見たところ、ストーリー的に逢瀬菜名穂の攻略を最後に取っておくこと
をオススメします。菜名穂エンドが一番ボリュームがあり、
真エンドといえます。
ミステリーが好きな人にも、美少女ゲームが好きな人にも、
神智学が好きな人にも、これら全部が好きな人にも
楽しめる作品でした。
なんと今度は美少女ゲーム&ライトノベルに挑戦!
高校編の「ネメシスの虐笑 S」。
小説版では主に、鈴木大拙を愛読する神智学少女―衿橋美耶が
神智学、ヒンディー語、ミステリーと様々な広範囲に渡る知識を披露し、
主人公達の周りで起こる事件や謎を
解き明かしていきます。
そして、美少女ゲームのファンなら、
本書の、ヴァン・ダインとノックスの推理小説の戒律と
美少女ゲームを掛けた「美少女ゲームの戒律」の章は、うんうんと
頷いたり、クスリとくるものがあるでしょう。
そして、10章では、社会主義者として有名な幸徳秋水が、
実は神智学徒で、大逆事件もそのことと関わっていたのではないか、
という話題で盛り上がりを見せます。
高校卒業後の「ネメシスの虐笑 G」。
小説のミステリーは、1章ごとに事件や謎が解決する
短編型だったのですが、
ゲームでは、一人のグラフィッカーを巡った、長編ミステリーを
展開します。私はミステリーの部分に関しては、ゲームの方が
おもしろかったです。
私は小説の方もおもしろいと感じたのですが、
小説の方は、趣向が合う・合わないが分かれるところがあると思いますので、
小説を読んでみて面白いと感じたら、そのまま読み進め次にゲームをやり、
もし小説の方がいまいちピンとこないと感じたなら、先にゲームの方からプレイするのもいいかもしれません。
ゲームの方で過去話として小説に書かれた高校時代の話が出てきますが、
小説を読まなくても、ゲームをやる時に困るような事は無かったのでご安心ください。
エンディングは全部で4つあります。
初回プレイ時は選択肢が無く、決まった1つのエンディングに向かいます。
そして2回目プレイから、選択肢を選べるようになり、
残った3つのエンディングが解放されます。
時間は長すぎず、不足無くという感じです。
複雑な選択肢はなかったので、攻略にそこまで苦労することはないはずです。
全エンドを見たところ、ストーリー的に逢瀬菜名穂の攻略を最後に取っておくこと
をオススメします。菜名穂エンドが一番ボリュームがあり、
真エンドといえます。
ミステリーが好きな人にも、美少女ゲームが好きな人にも、
神智学が好きな人にも、これら全部が好きな人にも
楽しめる作品でした。
ローウェル城の密室 (ハルキ文庫)
16歳で最年少乱歩賞最終候補にまで残ったとして有名な本作。16歳で乱歩賞?さぞや早熟の天才作家ぶりを発揮しているのかと思うが、読んでみるとまさにいい意味でも悪い意味でも16歳だから書けた作品であると言える。
まじめに乱歩賞応募作ということで本格密室ものだと思って読んでいた人にはまさにとんでもない落ちが待っている。ミステリーのトリックとしては完全に反則なので、その点を踏まえて読んで頂きたい。まあ、ふざけるな!と思って本を壁に投げつける人がいても全くおかしくはない類にもの。
書かれた時期が1980年ということを意識して欲しい。おそらくこの時期としては他メディアの特徴をメタ的にストーリーに絡ませるという発想は非常に斬新だったのだ思われる(乱歩賞の選考委員と言った当時の文筆お偉い方には特に・)し、その点が拙い構成文章ながら高く評価されたのだと思うが、はっきり言って80年代のこち亀などのギャグ漫画を読みなれた人には意外性はないトリックである。私も何の予備知識もなかったが、数ページ読み進んだだけで、密室殺人のトリックはまさか○○じゃないだろうなと思ったのだがその通りだったので逆に驚いてしまった。漫画の世界が舞台、密室殺人にトンデモトリックと書かれたらもうこのオチしかない・・・・。
密室殺人のトリック証はラスト2ページくらいで簡単に終わり、総ページ300近くを延々と漫画の世界の中世でのアドベンチャーが展開するのだが、ここらへんのノリは現在のライトノベルの先駆けという感じがしないでもない。拙い展開と文章だが意外とすんなり入っていける。まあ、本格推理を求めている人にはいい加減にしてくれと思われるだろうが。
本書は16歳が書いたミステリーという謳い文句がこれほどピッタリハマるものはない。大人の本格推理を求める層にはお勧めでいないが、ネタとして読むならアリだろう。
まじめに乱歩賞応募作ということで本格密室ものだと思って読んでいた人にはまさにとんでもない落ちが待っている。ミステリーのトリックとしては完全に反則なので、その点を踏まえて読んで頂きたい。まあ、ふざけるな!と思って本を壁に投げつける人がいても全くおかしくはない類にもの。
書かれた時期が1980年ということを意識して欲しい。おそらくこの時期としては他メディアの特徴をメタ的にストーリーに絡ませるという発想は非常に斬新だったのだ思われる(乱歩賞の選考委員と言った当時の文筆お偉い方には特に・)し、その点が拙い構成文章ながら高く評価されたのだと思うが、はっきり言って80年代のこち亀などのギャグ漫画を読みなれた人には意外性はないトリックである。私も何の予備知識もなかったが、数ページ読み進んだだけで、密室殺人のトリックはまさか○○じゃないだろうなと思ったのだがその通りだったので逆に驚いてしまった。漫画の世界が舞台、密室殺人にトンデモトリックと書かれたらもうこのオチしかない・・・・。
密室殺人のトリック証はラスト2ページくらいで簡単に終わり、総ページ300近くを延々と漫画の世界の中世でのアドベンチャーが展開するのだが、ここらへんのノリは現在のライトノベルの先駆けという感じがしないでもない。拙い展開と文章だが意外とすんなり入っていける。まあ、本格推理を求めている人にはいい加減にしてくれと思われるだろうが。
本書は16歳が書いたミステリーという謳い文句がこれほどピッタリハマるものはない。大人の本格推理を求める層にはお勧めでいないが、ネタとして読むならアリだろう。