狂人日記 (講談社文芸文庫)
絶筆となった長編小説・・「狂人」とは、誰なのか?・・それは作者自身であったのかも知れない・・
小生は、単行本で読んだ・・装丁がこの作品には深い意味を持つ・・それは、単行本の装丁画でなければ味わえないのだ。
先ず主人公の死に際を描写した小説は、意外に少ないのではないか・・と想った。歌集では、岸上大作「意思表示」が有名だが、果たして小説では何か・・想い出せない・・
作中の主人公は、死んでやろうとしている・・しかし、自明の理だけれど作者色川武大は、決して死ななかった・・ここが大変重要な意味合いを孕んでいると想う・・正に精神の狂人を強靭さで生き抜いた・・凄いことである・・常人ではない・・色川はこの作品執筆後を契機に、「純文学」では喰えないと悟り、一関へ引っ越そうと試みる・・そうなのだ正に喰えない内容の小説なのである・・
しかし、この作品が残された大きさは文学界において、計り知れない重みが有る、色川の文学の集大成畢竟の産物であり、この人生苦境に立たされた読者を癒す最大の作品である。
物語のエピローグは、意外にあっけないしそっけない・・音楽で表現すれば、まるでモーツアルト終止のような感じでもある・・が、それが色川の技量でもある・・また最初のプロローグへと読者を誘うのだ・・あたかもメビウスの輪のように繋がっていて戻るのである・・小生は、その罠?に引っ掛かりもう既に2回読んでしまった・・永遠に終わらない迷宮へと陥っていく作品なのである・・そして、読む度に作者色川の強靭な精神に圧倒されるのだ・・それは「感動」と表現してもおかしくはない遺産ではないか。
小生は、単行本で読んだ・・装丁がこの作品には深い意味を持つ・・それは、単行本の装丁画でなければ味わえないのだ。
先ず主人公の死に際を描写した小説は、意外に少ないのではないか・・と想った。歌集では、岸上大作「意思表示」が有名だが、果たして小説では何か・・想い出せない・・
作中の主人公は、死んでやろうとしている・・しかし、自明の理だけれど作者色川武大は、決して死ななかった・・ここが大変重要な意味合いを孕んでいると想う・・正に精神の狂人を強靭さで生き抜いた・・凄いことである・・常人ではない・・色川はこの作品執筆後を契機に、「純文学」では喰えないと悟り、一関へ引っ越そうと試みる・・そうなのだ正に喰えない内容の小説なのである・・
しかし、この作品が残された大きさは文学界において、計り知れない重みが有る、色川の文学の集大成畢竟の産物であり、この人生苦境に立たされた読者を癒す最大の作品である。
物語のエピローグは、意外にあっけないしそっけない・・音楽で表現すれば、まるでモーツアルト終止のような感じでもある・・が、それが色川の技量でもある・・また最初のプロローグへと読者を誘うのだ・・あたかもメビウスの輪のように繋がっていて戻るのである・・小生は、その罠?に引っ掛かりもう既に2回読んでしまった・・永遠に終わらない迷宮へと陥っていく作品なのである・・そして、読む度に作者色川の強靭な精神に圧倒されるのだ・・それは「感動」と表現してもおかしくはない遺産ではないか。
怪しい来客簿 (文春文庫)
色川氏の優しくそして辛辣なまなざしによって繰り広げられる短編集。社会の隅の隅のさらにその隅に居る人々のありさまを、これほど生々しく描ける作家は他にいない。淡々とした文体で、しかしながらヴィヴィットな情景を描きだす、息を呑む最高の傑作。
明日泣く [DVD]
斎藤工、汐見ゆかりの二人の演技で、最後まで一気に魅せる。
原作者が同じの「麻雀放浪記」もいい映画ですが、これも雰囲気のある作品に仕上がっています。和田誠の絵がちらっと写ったのは、オマージュだろうか。
武藤昭平も味がありますが、少し固い。演奏シーンは、じっくり鑑賞できます。
監督のファンになりました。
本編は短いが、特典は充実してました。
原作者が同じの「麻雀放浪記」もいい映画ですが、これも雰囲気のある作品に仕上がっています。和田誠の絵がちらっと写ったのは、オマージュだろうか。
武藤昭平も味がありますが、少し固い。演奏シーンは、じっくり鑑賞できます。
監督のファンになりました。
本編は短いが、特典は充実してました。
うらおもて人生録 (新潮文庫)
この本に溢れているのは<愛>だと思う。人生に対する愛、そしてなにより読者である若い年代の人たちへの慈愛とも言ってよい姿勢に、しみじみとした感動を覚える。
麻雀を少しでもかじったことのある人なら誰でも知っていることだが、麻雀において「勝ち続ける」ということはあり得ない。どうしてもいい牌がまわってもない時もあれば、あえておりる(負ける)選択をしたほうがよい場合もある。
人生だって同じだよ、優等生の勝ち続ける人生ってのは本当は異常なんだよ、あり得ないことなんだ、禍福はあざなえる縄のごとし、大切なのは「負け」も認めながら、時にはいろいろなことを「しのぎ」ながら、それでも、最終的にはプラスマイナスでプラスに転ずるように世を渡っていく知恵をつかむことなんだよ、というようなメッセージが、少し照れのはいった優しい口調で語ってくれる。
この本を読むたびに、色川のおじさんがそばにいるような気にさせてくれる。学生にもサラリーマンにも、必携の一冊だと思う。
私の座右の書。
麻雀を少しでもかじったことのある人なら誰でも知っていることだが、麻雀において「勝ち続ける」ということはあり得ない。どうしてもいい牌がまわってもない時もあれば、あえておりる(負ける)選択をしたほうがよい場合もある。
人生だって同じだよ、優等生の勝ち続ける人生ってのは本当は異常なんだよ、あり得ないことなんだ、禍福はあざなえる縄のごとし、大切なのは「負け」も認めながら、時にはいろいろなことを「しのぎ」ながら、それでも、最終的にはプラスマイナスでプラスに転ずるように世を渡っていく知恵をつかむことなんだよ、というようなメッセージが、少し照れのはいった優しい口調で語ってくれる。
この本を読むたびに、色川のおじさんがそばにいるような気にさせてくれる。学生にもサラリーマンにも、必携の一冊だと思う。
私の座右の書。