明日のことは知らず 髪結い伊三次捕物余話 (文春文庫)
前作までは本シリーズの伊佐次・お文夫婦の登場が少なく、
不破龍野進等、若者が中心のストーリーが多かったですが、
本作は原点に戻った感じです。
捕物と言うよりも伊佐次・お文を中心にした人情話が胸に
染み入りました。その中で伊与太と茜の離れ離れになってしまった
両者の恋心が次作への橋渡しとして興味を惹かれます。
お文姐さんの啖呵もありで本作の読後はシリーズ初版の頃の様な
伊佐次・お文夫婦と二人を取り巻く人の人情にホロリとさせられる
素敵な短編集です。
不破龍野進等、若者が中心のストーリーが多かったですが、
本作は原点に戻った感じです。
捕物と言うよりも伊佐次・お文を中心にした人情話が胸に
染み入りました。その中で伊与太と茜の離れ離れになってしまった
両者の恋心が次作への橋渡しとして興味を惹かれます。
お文姐さんの啖呵もありで本作の読後はシリーズ初版の頃の様な
伊佐次・お文夫婦と二人を取り巻く人の人情にホロリとさせられる
素敵な短編集です。
夜鳴きめし屋 (光文社時代小説文庫)
たまたま車でかかっていたNHKラジオドラマで面白かったので早速購入。
味のあるいい作品でした。時代小説が好きでしたが、最近はあんまり読んでなくて。
宇江佐真理さんの作品も初めてでしたが、はまりそう。オススメ!
「うえざ」が宇江佐とすぐに変換したので驚いた。
味のあるいい作品でした。時代小説が好きでしたが、最近はあんまり読んでなくて。
宇江佐真理さんの作品も初めてでしたが、はまりそう。オススメ!
「うえざ」が宇江佐とすぐに変換したので驚いた。
月は誰のもの 髪結い伊三次捕物余話 (文春文庫 う 11-18)
今までの「髪結い伊三次」のシリーズを本編とすれば、この本は番外編といった趣です。
大火で家族の命と伊三次の台箱以外のすべてを失ったお文一家に、ある人が援助を申し出てくれて‥‥。
10代半ばの見習い同心時代に対立していたグループのリーダーと、約15年後、思わぬ形で再会した不破龍之進は‥‥。
20代の頃の伊三次とお文なら、若さゆえの依怙地さで援助を断っていたかもしれませんが、浮世の苦労を知った今は、有難いことだと素直に受けとることができる。
龍之進も、30にもなった今では、あれだけのぼせて追い回していた相手に対しても、色々と思いやることができるようになった。
長く続いている人気シリーズだと、主役級の登場人物はいつまでも若々しくカッコいいことが多いのですが、「髪結い伊三次」では確実に、しかし自然に時が流れていきます。宇江佐真理さんは、「老いる」ということを恐れず、肯定的にとらえておられるのではないか、という印象を受けます。
最近このシリーズのファンになって、今までの本をまとめ読みされた方は、「なんか、みんな、どんどん歳を取っていく‥‥」と驚かれるかもしれませんが、シリーズ初期の頃からずっとリアルタイムで読み続けてきたファンにとっては、その年月を思うと、感慨深いものがあるのではないでしょうか。
この本の最後で、龍之進の母いなみが、娘時代のことから孫に恵まれた現在にまで思いを巡らす場面が、とても印象に残りました。
最近本編では、子供世代に主役の座を譲って、脇に回ることの多いお文ですが、この本の前半では久々に主役で登場します。やはり、お文が登場すると、いっぺんに話が華やぎ、きりりとしまってくるような気がします。
大火で家族の命と伊三次の台箱以外のすべてを失ったお文一家に、ある人が援助を申し出てくれて‥‥。
10代半ばの見習い同心時代に対立していたグループのリーダーと、約15年後、思わぬ形で再会した不破龍之進は‥‥。
20代の頃の伊三次とお文なら、若さゆえの依怙地さで援助を断っていたかもしれませんが、浮世の苦労を知った今は、有難いことだと素直に受けとることができる。
龍之進も、30にもなった今では、あれだけのぼせて追い回していた相手に対しても、色々と思いやることができるようになった。
長く続いている人気シリーズだと、主役級の登場人物はいつまでも若々しくカッコいいことが多いのですが、「髪結い伊三次」では確実に、しかし自然に時が流れていきます。宇江佐真理さんは、「老いる」ということを恐れず、肯定的にとらえておられるのではないか、という印象を受けます。
最近このシリーズのファンになって、今までの本をまとめ読みされた方は、「なんか、みんな、どんどん歳を取っていく‥‥」と驚かれるかもしれませんが、シリーズ初期の頃からずっとリアルタイムで読み続けてきたファンにとっては、その年月を思うと、感慨深いものがあるのではないでしょうか。
この本の最後で、龍之進の母いなみが、娘時代のことから孫に恵まれた現在にまで思いを巡らす場面が、とても印象に残りました。
最近本編では、子供世代に主役の座を譲って、脇に回ることの多いお文ですが、この本の前半では久々に主役で登場します。やはり、お文が登場すると、いっぺんに話が華やぎ、きりりとしまってくるような気がします。