夜になるまえに―ある亡命者の回想 (文学の冒険シリーズ)
美しい海、生きている悦びを味わった故郷。しかしカストロの独裁によって祖国に踏みにじられた青春とその才能。
とても辛い人生を書きながら、アレナスの言葉は読む者に弾けるような感動を与えます。キューバという国がアレナスの感性を育て、苦しめた。読む者に自由というものを考えさせる最高の自伝です。この感動は読まないとわからない。アレナスを知ること、とても貴重な体験になるに違いありません。
とても辛い人生を書きながら、アレナスの言葉は読む者に弾けるような感動を与えます。キューバという国がアレナスの感性を育て、苦しめた。読む者に自由というものを考えさせる最高の自伝です。この感動は読まないとわからない。アレナスを知ること、とても貴重な体験になるに違いありません。
夜になるまえに【廉価2500円版】 [DVD]
主人公がゲイである、くらいの予備知識しかありませんでしたが、
ストーリーが進むにつれ、
その壮絶な生き様に圧倒されました。
まるで「バッド・エデュケーション」のガエル・ガルシア・ベルナルのように。
でも、こちらは実在した作家。
今でこそ、チェ・ゲバラなど、当時のキューバ革命についての情報も人々が知ることも多いですが、
実際に迫害を受けていた人々の側の視点からの作品。
人間が、人間らしく生きるには、なんと困難が付きまとうものか。
陳腐な言い方ですが、時代という波にもまれ、それでも信念を貫き通し、
やがて病魔に蝕まれて亡くなって行く。
それが自然の摂理であるかのように、
冒頭からの自然の風景のカットのなんと美しいことか。
緑、川、海、・・・すべてがあるがまま。
レイナルド・アレナスもきっと、そうやって「あるがまま」生きたい、そう願っていたのでしょう。
テーマがテーマだけに、ちょっと気楽には見れないな、とは思っていましたが、
いったん見始めたら、途中で止めることはできませんでした。
物凄い迫力。
満点です。
ショーン・ペンがよかったなぁ。
ストーリーが進むにつれ、
その壮絶な生き様に圧倒されました。
まるで「バッド・エデュケーション」のガエル・ガルシア・ベルナルのように。
でも、こちらは実在した作家。
今でこそ、チェ・ゲバラなど、当時のキューバ革命についての情報も人々が知ることも多いですが、
実際に迫害を受けていた人々の側の視点からの作品。
人間が、人間らしく生きるには、なんと困難が付きまとうものか。
陳腐な言い方ですが、時代という波にもまれ、それでも信念を貫き通し、
やがて病魔に蝕まれて亡くなって行く。
それが自然の摂理であるかのように、
冒頭からの自然の風景のカットのなんと美しいことか。
緑、川、海、・・・すべてがあるがまま。
レイナルド・アレナスもきっと、そうやって「あるがまま」生きたい、そう願っていたのでしょう。
テーマがテーマだけに、ちょっと気楽には見れないな、とは思っていましたが、
いったん見始めたら、途中で止めることはできませんでした。
物凄い迫力。
満点です。
ショーン・ペンがよかったなぁ。
夜になるまえに [DVD]
重いテーマを淡々と
テーマは重い。
しかし、ハリウッドのようなドラマチックで過激な語り口でなく、淡々と語られる。収容所のシーンもまったく過激ではない。
キューバ体制を批判しているわけでもなく、同性愛者であり、書く事にあくなき情熱をもった青年の日常をそのまま移している。そういった処で映画はより現実味を帯びる。
そして、見た後にこれだけの内容なのにまったく重さを感じさせない。
なぜだろう?おそらく主人公を演じたハビエル・バルデムの自然な演技と製作者の力量だろう。
淡々としながら、テンポは速く、上映時間の長さを感じさせない不思議な映画である
スペイン俳優としてアカデミー賞主演男優賞候補になったのも大きくうなずける映画である。
私としては彼に獲らせたかった!
テーマは重い。
しかし、ハリウッドのようなドラマチックで過激な語り口でなく、淡々と語られる。収容所のシーンもまったく過激ではない。
キューバ体制を批判しているわけでもなく、同性愛者であり、書く事にあくなき情熱をもった青年の日常をそのまま移している。そういった処で映画はより現実味を帯びる。
そして、見た後にこれだけの内容なのにまったく重さを感じさせない。
なぜだろう?おそらく主人公を演じたハビエル・バルデムの自然な演技と製作者の力量だろう。
淡々としながら、テンポは速く、上映時間の長さを感じさせない不思議な映画である
スペイン俳優としてアカデミー賞主演男優賞候補になったのも大きくうなずける映画である。
私としては彼に獲らせたかった!
夜になるまえに
作家として優れた才能を持ちながら、キューバのカストロ政権の下で同性愛者として迫害されつづけた人生。自由を求めて死の恐怖におびえながらアメリカに亡命するものの、そこではキューバのような生命力溢れる海や空もなく、心を満たしてくれるものは見つからなかった。でも彼の幼少時代の経験や性的冒険は私たちが持っていない魂の自由を感じさせます。彼の人生は幸せではなかったかもしれないけれど、私は彼が短い人生を誰よりも壮絶に駆け抜け、誰よりも必死に生きていた、そのことを充実した人生だったと思いたい。私たちに自由とは何か、心に大きな波紋を残す作品です。
夜になるまえに [DVD]
日本での報道と異なり、カストロ革命後のキューバの
闇は底なしだった、その沼の中で文学と同性愛に身を焦がし続け
いわば殉教していった作家の青春、
苦労に苦労を重ねて亡命したアメリカへの幻滅、
というアルナスの自伝の映画化。
映画では、幼児期に彼が過ごした原生林の草いきれや、小鳥のさえずり、
川のほとばしる飛沫から、
青年となり永遠に連なる水平線と太陽を背に、
来る日も来る日もタイプを打ち続けるアルナスの真摯な姿、
そして、飽和することの無い同性愛に放埓に溺れ、飲み込まれていく姿、
ナイトクラブ、海岸での男同士の誘いから、
カストロ、それの取り巻きを象徴する地獄のような監獄、
これらが煌びやかで切なく炸裂する花火の如くに 描かれています。
一つ一つの画面が、吟味に吟味を重ねた上等なラム酒の如く豊穣な味わいを含んでいます。
主役の名優バルデムが、実際の作者の風貌にそっくりなのには驚かされました。
まさに傑作の名に値する数少ない映画作品です。
闇は底なしだった、その沼の中で文学と同性愛に身を焦がし続け
いわば殉教していった作家の青春、
苦労に苦労を重ねて亡命したアメリカへの幻滅、
というアルナスの自伝の映画化。
映画では、幼児期に彼が過ごした原生林の草いきれや、小鳥のさえずり、
川のほとばしる飛沫から、
青年となり永遠に連なる水平線と太陽を背に、
来る日も来る日もタイプを打ち続けるアルナスの真摯な姿、
そして、飽和することの無い同性愛に放埓に溺れ、飲み込まれていく姿、
ナイトクラブ、海岸での男同士の誘いから、
カストロ、それの取り巻きを象徴する地獄のような監獄、
これらが煌びやかで切なく炸裂する花火の如くに 描かれています。
一つ一つの画面が、吟味に吟味を重ねた上等なラム酒の如く豊穣な味わいを含んでいます。
主役の名優バルデムが、実際の作者の風貌にそっくりなのには驚かされました。
まさに傑作の名に値する数少ない映画作品です。