現代中国の父 トウ小平(上)
ジャパン・アズ・ナンバーワン」の著者で、ハーバード大学で長く日本と中国の研究を行ったエズラ・ヴォーゲルの最新刊で、上下二巻の大作。冒頭にこう記している。
『私はトウの家族や同僚といった人々と会って話をし、文書記録では探し当てることのできない内実や具体的な話を聞くことができた。私は7年以上をかけて中国でほぼ12ヶ月を過ごし、トウと彼の時代を知る人々に中国語でインタビューをした。』
外国人として中国語を駆使し、莫大な文献を中国語のまま読み、中国語でインタビューしたからこそ、トウ小平や周辺の状況についてこれだけの幅広く深い透察ができたのだと改めて驚嘆した。
私自身、この本を通じて点としての知識しかなかった中国の改革開放に関する歴史的な事象を、線で複数の点を結ぶことができたと感じる。筆者が米国一流の研究者であったからこそ、文献やインタビューから公平な見方を抽出し精緻にまとめあげることができた。中国人がトウ小平について書いたらこれだけ客観的かつ包括的には書けなかった。
また著者は、日本による対中国の海外経済協力基金(OECF)が1979年から2007年までに他のどの国よりも多い合計2.54兆円(07年の為替レートで約250億米ドル)の資金を供与したことにも言及、本文で「トウ小平が国政の舵をとっていた歳月において、工業力の向上とインフラ建設を図る中国に対し、日本以上に支援の手を差し伸べ貢献した国はどこにもなかった。」としている。日中の政治関係がかまびすしい昨今だが、日本も中国の改革開放へ大きな支援をしたことを誇りに思い、中国側もこのような事実があったことを改めて認識する機会でもあろう。(レビューは下巻へ続く)
『私はトウの家族や同僚といった人々と会って話をし、文書記録では探し当てることのできない内実や具体的な話を聞くことができた。私は7年以上をかけて中国でほぼ12ヶ月を過ごし、トウと彼の時代を知る人々に中国語でインタビューをした。』
外国人として中国語を駆使し、莫大な文献を中国語のまま読み、中国語でインタビューしたからこそ、トウ小平や周辺の状況についてこれだけの幅広く深い透察ができたのだと改めて驚嘆した。
私自身、この本を通じて点としての知識しかなかった中国の改革開放に関する歴史的な事象を、線で複数の点を結ぶことができたと感じる。筆者が米国一流の研究者であったからこそ、文献やインタビューから公平な見方を抽出し精緻にまとめあげることができた。中国人がトウ小平について書いたらこれだけ客観的かつ包括的には書けなかった。
また著者は、日本による対中国の海外経済協力基金(OECF)が1979年から2007年までに他のどの国よりも多い合計2.54兆円(07年の為替レートで約250億米ドル)の資金を供与したことにも言及、本文で「トウ小平が国政の舵をとっていた歳月において、工業力の向上とインフラ建設を図る中国に対し、日本以上に支援の手を差し伸べ貢献した国はどこにもなかった。」としている。日中の政治関係がかまびすしい昨今だが、日本も中国の改革開放へ大きな支援をしたことを誇りに思い、中国側もこのような事実があったことを改めて認識する機会でもあろう。(レビューは下巻へ続く)
ドラマCD ひぐらしのなく頃に~暇潰し編~
本編も原作のエピソードを極力削らず、個性的なキャラを実力派声優が演じているので、従来どおり原作の忠実な再現が行われています。これを作ったスタッフには相変わらず脱帽してしまいます。また赤坂役の子安さん。新米で少し情けない役どころをきちんとこなされています。
ただ今回は主要キャラが赤坂、梨花、大石に限られ、いつもの部活メンバーが登場しないので、あの独特の賑やかさはありません。これは原作の性格上仕方のないことですが、圭一たちの掛け合いを楽しみにしている人には面白みに欠ける内容だと思います。特に麻雀シーンや北海道の旅館シーンはいくらか退屈に思うかもしれません。
そんな中、「赤坂と梨花の邂逅」「誘拐犯との格闘」「赤坂の懺悔」は聞きごたえがあります。にぱーを連発して妄想したり、誘拐犯に情けを求めたり、梨花の死に号泣したりする場面は十分聞く価値があります。
ただ今回は主要キャラが赤坂、梨花、大石に限られ、いつもの部活メンバーが登場しないので、あの独特の賑やかさはありません。これは原作の性格上仕方のないことですが、圭一たちの掛け合いを楽しみにしている人には面白みに欠ける内容だと思います。特に麻雀シーンや北海道の旅館シーンはいくらか退屈に思うかもしれません。
そんな中、「赤坂と梨花の邂逅」「誘拐犯との格闘」「赤坂の懺悔」は聞きごたえがあります。にぱーを連発して妄想したり、誘拐犯に情けを求めたり、梨花の死に号泣したりする場面は十分聞く価値があります。
和小物 和柄小平巾着・小物入れふくろう(男女兼用)
デザインと価格で購入させて頂きました。価格の割にしっかりしていて携帯とボックスのタバコが
ちょうど入るくらいです。とてもお得な買い物ができたと思います。
ちょうど入るくらいです。とてもお得な買い物ができたと思います。
怪異談 生きてゐる小平次 [DVD]
この映画は、かつて東宝ビデオからレンタルルート用に「ATGビデオ文庫」シリーズとしてVHSソフトが発売されていただけで、セルスルービデオもレーザーディスクも発売されなかった。
中古ビデオを扱う店舗を「ローラー作戦」のように探し回って、ようやく見つけて買ったあの日の価格より、今ここで見つけたDVDの価格の方が安い。
本作は大正13年に鈴木泉三郎が発表した戯曲『生きてゐる小平次』を原作とし、当時のATGの「一千万円映画」の枠内で映像化すべく、登場人物をわずか3人に絞り込んで、大胆な脚色を行った作品だった。
しかし、タイトルからおわかりのように、原作の戯曲じたいが江戸時代の怪異譚の翻案であり、戯作本としてまとめられた山東京伝による『復讐奇談安積沼』(現代語訳は『現代語訳・江戸の伝奇小説〈1〉復讐奇談安積沼、桜姫全伝曙草紙 (現代語訳江戸の伝奇小説 1)』に収録)や、その翻案である京極夏彦の小説『覘き小平次 (中公文庫)』と同じ題材だ。
京極夏彦が小説化し評判を呼んだ、あの題材を、「怪談映画の巨匠」と賞される一方で、夏目漱石原作の『虞美人草』など文芸映画も多く手がけた、中川信夫監督が、どのように映像化したか。
DVD化を機として、多くの方にご覧いただきたい一作である。
中古ビデオを扱う店舗を「ローラー作戦」のように探し回って、ようやく見つけて買ったあの日の価格より、今ここで見つけたDVDの価格の方が安い。
本作は大正13年に鈴木泉三郎が発表した戯曲『生きてゐる小平次』を原作とし、当時のATGの「一千万円映画」の枠内で映像化すべく、登場人物をわずか3人に絞り込んで、大胆な脚色を行った作品だった。
しかし、タイトルからおわかりのように、原作の戯曲じたいが江戸時代の怪異譚の翻案であり、戯作本としてまとめられた山東京伝による『復讐奇談安積沼』(現代語訳は『現代語訳・江戸の伝奇小説〈1〉復讐奇談安積沼、桜姫全伝曙草紙 (現代語訳江戸の伝奇小説 1)』に収録)や、その翻案である京極夏彦の小説『覘き小平次 (中公文庫)』と同じ題材だ。
京極夏彦が小説化し評判を呼んだ、あの題材を、「怪談映画の巨匠」と賞される一方で、夏目漱石原作の『虞美人草』など文芸映画も多く手がけた、中川信夫監督が、どのように映像化したか。
DVD化を機として、多くの方にご覧いただきたい一作である。