わかったような気がしてもわかってない。でもわかりたい。それの繰り返しなんでしょうね。悟りの境地にいくまでは。無というものの奥の深さ。知れば知るほど知らないことが出てくる。
般若心経最高の入門書おすすめ度
★★★★★
般若心経の真髄を非常にわかりやすく伝えてくれる名著です。
日本人なら一度は読んでおきたい新書ですね。
基本的には般若心経(大)の現代語訳ですが、現代の感覚にマッチするように様々な工夫が凝らされています。
筆者の一番のオリジナルな部分は、解説に量子論等の最新の知見を加えたところでしょう。
現代の科学の世界観と般若心経の世界観が似通ったものであることに、その教えの先見性や普遍性を見いだしていきます。
これまでにはないとてもユニークな解説書です。
またこの著者、臨済宗の僧侶でありながらなんと過去には芥川賞を受賞したこともあり、作家としての力も相当のもの。
本書も、まるで小説を読んでいるかのように楽しく読み進められます。
これは初心者には非常にありがたいですね。
おそらく、現在世に出ている般若心経解説本の中でも白眉といってよい一冊でしょう。
仏教を生きる
おすすめ度 ★★★★★
般若心経が短いのは、その背景の広くて深い仏教思想を当然のこととして話を進めているからだが、仏教思想に明るくない私には、はっきり言って何が何だか分からなかった。空ってなに?何で目も耳も鼻も「無」なの?
色々本を読んで、少しずつ分かるようになってきたものの、やっぱりまだよく分からなかったが、その中でこの本はかなり分かりやすい方だと思う。読むうちに、般若心経前半のたたみかけるような論理性、そして後半の「常識」を飛び越えて高みに至るような大きな跳躍が、目の前に展開されていく。
しかし「常識」を飛び越えてやすらぎに達するには、仏教の解説を理解するだけでは不十分で、座禅や読経を通じて「仏教を生きる」ことが必要なようだ。著者自身が仏教を生きているからだろうか、何だか納得して私もお唱えを初めてみている。