ブラックだけれど笑える!おすすめ度
★★★★★
丘の上に建つゴシック風の屋敷は、一家全員が不気味な雰囲気を漂わせているアダムス・ファミリーの家。家主でやたらとノリのいい父ゴメス、不気味な貴婦人の母モーティシア、無表情の娘ウェンズデーとその弟バグズリー、気味の悪い料理を得意とするゴメスの母親、無口でフランケンシュタインにそっくりの執事と手首から先だけの生き物「ハンドくん」、これがアダムス・ファミリーのメンバーだ。しかもこのアダムス・ファミリー、不幸なこと、邪悪なことが大好きという、とんでもない人達。ある日行方不明だったゴメスの兄フェスターが、25年ぶりにアダムス家に帰ってきた。感動の再会を喜ぶフェスターとゴメス兄弟。だが、ウェンズデー達はフェスターが偽者でないかと疑う。・・・
一家全員が不気味な雰囲気を漂わせているアダムス・ファミリーに、ある日家主ゴメスの兄フェスターが25年ぶりに帰ってきたのだが・・・。
色調が実にゴーストタウンを醸し出しており、いい雰囲気。音楽も独創的なテーマがストーリーにぴったり!
アダムス一家のメンバーも、オーバーアクションの父ゴメス、不気味な貴婦人の母モーティシア、ムッツリした娘のウェンズデーなど実に個性的。ところ狭しと動き回るハンド君や、フランケンシュタインにそっくりなアダムス家の執事など、脇役のアイディアも楽しい。
ストーリー仕立てもテンポ良く、ラストのどんでん返しが小粋。ブラックだが楽しめる、そんな作品がこの『アダムス・ファミリー』である。
概要
城のような館に住むお化けたち、アダムス・ファミリー。そこへ長い間行方不明だった当主ゴメズの兄、フェスターが帰ってきた。大喜びする一家。だがそれは、アダムス一家のばく大な財産をねらう、悪玉たちのワナだった。
原作は、30年代の雑誌『ニューヨーカー』で人気を呼んだ、チャールズ・アダムスの同名漫画である。60年代には『アダムスのお化け一家』のタイトルでテレビシリーズとなり、大ヒットした。
監督は、コーエン兄弟の『ミラーズ・クロッシング』などで名カメラマンと名高い、バリー・ソネンフェルド。自在に動き回るハンド君など目を奪うSFXと、不気味さを競う個性のオンパレードが痛快だ。のちに大ヒット作『メン・イン・ブラック』を手がけた、ゾンネンフェルド監督の原点というべき秀作だ。(アルジオン北村)