ミステリー・トレイン [DVD]
ジャームッシュ監督は本作より作風が以前とは変わったように感じる。成熟した映画作家としてのテクニックが加わり、プロの映画監督としてこれからは様々な題材を扱ってやるという意気込みが感じられるが、初期の頃のようなみずみずしい感覚はなくなったようだ。本作はウェルメイドな3話オムニバスでラストそれぞれのストーリーがちょっと絡んで落ちるという落語のような作品。今から言うとパルプフィクションほのぼの編といった感じか。ザンパラやダウンバイローのような強烈な余韻はないが、ロビーミュラーによる映像は味わいがあってよい。
キネマ旬報臨時増刊 KINEJUN next vol.1 「あしたのジョー」大特集 2011年 2/21号
本書は、2月11日公開の映画『あしたのジョー』(監督:曽利文彦、主演:山下智久)の特集しており、それにちなみ他の最新漫画原作映画化の作品を紹介した内容となっている。
主演の矢吹丈役の山下智久氏やライバルの力石徹役の伊勢谷友介氏のグラビアとインタビュー、ジョーの師となる丹下段平役の香川照之氏と力石を後援する財閥令嬢・白木葉子役の香里奈氏、そして原作者であるちばてつや先生のインタビューが収録されている(ここでも残念ながらジョーの盟友となるマンモス西役の勝矢氏のインタビューはなかった)。
インタビューの中身もガイドブックや他の特集記事と重複しているところがあり、あまり目新しさは感じなかったが、本書の特筆すべき点は今回の実写化に当たりメインスタッフ6名(原作者・ちばてつや、監督・曽利文彦、企画・プロデューサー・伊與田英徳、脚本・篠ざき絵里子、美術・佐々木尚、ボクシング監修・梅津正彦)の証言で綴る「あしたのジョー」製作ドキュメント・ルポであろう。
昨今の制作委員会による体制や安易な漫画映画の実写化の映画作りに誰がこの映画を作りたかったのかはっきりしない環境下の中で今回の映画化ではプロデューサーである伊與田氏が明確に作りたかった動機を語っている内容が興味深い。
今まで『あしたのジョー』実写化の話は幾度かあったそうであるが(過去にも連載当時の1970年に長谷部安春監督、石橋正次主演で実写化された)、企画段階で座礁した事や原作者であるちば先生も安易に許可を出さなかった事などあまりに偉大すぎる原作であるために誰もがはばかれるなか、諦めずに脚本家の篠ざき氏を巻き込んでの許諾が下りていない状況下でのシナリオ製作(企画が通らなかった場合は篠ざき氏のギャラを自腹で切る覚悟)に携わり、2年もの歳月をかけて企画を通した伊與田氏の並々ならぬ決意(事実、実写化には頑なに拒否し続けていたちば先生の心をも動かしたのであるから)はある意味『あしたのジョー』の精神に通じるものを感じた。
今回のドキュメント・ルポにも伊與田氏を始めとするスタッフ一人々々の原作への人一倍の愛情と尊敬の念が伝わり、事実、劇場で拝見したが十分に堪能できてよかったと思うので興味のある方は是非とも読んでもらいたい。そのうえで鑑賞する事をおススメする。
私立探偵 濱マイクシリーズ BOX [DVD]
我が生涯宝となるこの作品。
TV番も好きなのですが、やっぱり浜の町と濱マイクはこちらの方に手が上がります。
「我が人生」にての人間として生き方プライド。
「遥かなる」にての人間として優しさ。
「罠」にての人間として本性。
タバコのチェリーにマッチで火を灯し。
メトロポリタンに滑り込んだら~ここは横浜黄金町。
貴方も登場人物の一人として作品を楽しんでください。
スマグラー おまえの未来を運べ コレクターズ・エディション(2枚組) [Blu-ray]
私は、安藤政信さんが好きで大体の出演作は観てきました。しかし、スキヤキウエスタンジャンゴ以来、日本映画の出演
は2年程なかったので、とても楽しみにしていました。公開前からサイトやCM、劇場予告などでチェックしいましたが、安藤さんが殺し屋の役だということ以外、内容は殆ど知らない状態で観に行きました。
とにかく、背骨がカッコイイ!!
コートを脱いだときの筋肉やヌンチャクを使ったアクション、特に内臓との格闘シーンは必見です!
殺し屋ですが、感情があるというのが描かれ、演じられているのがいいでね。
他にも、永瀬さんの渋くあつい感じがかっこよかったですし、満島さんのツンツンした感じもよかったです。
拷問シーンは、目を背けたくなるようなところが多かったですが、観終わった後は砧のように一歩前に進めるような気分になりました。主題歌もgoodです!!