ライジング・フォース
スティーラー時代の彼を知らなかったのですが、ともあれ、グラハム・ボネット氏が立ち上げたアルカトラズに参加した彼の雄姿は、当時の"新世代ロックギタリスト"というポジションをいち早くロケートしたことは確かです。
所謂、3大ギタリストやリッチー・ブラックモア、これを追ってきたマイケル・シェンカー、'80sのGuitarヒーローとなったランディー・ローズによるメロディアス&ハードな系譜には、無論、クラシックの香る部分もありましたが、それら先達のある種の呪縛のようなものとは別に、クラシックへの極度な傾倒と、その良さ・モティーフをより明確に具現化するための"一手段としての"圧倒的なピッキング/フィガリング・テクニックに裏づけされたイングヴェイ・マルムスティーンのスタイルは、やはり素晴らしいものです。
勿論、(つまらない)スピード競技という側面だけを取り出せば、昨今のギタリストの中にはY.マルムスティーンに肉薄または凌駕するプレーヤーがいるのかも知れません。
#暫くこの分野からは遠ざかっていますので、よく知りませんm(_ _)m
それを楽しむのは良いとしても、それを一位に置いてしまってはY.マルムスティーンの面白さって判らなくなってしまうのではないかと思います。"ハーモニック・マイナーの手癖の延長ではないのか"という穿った見方も出来なくはないかも知れません。ただ、手癖であれ何であれ、メロディを作る上では極難な運指にならざるを得ない場面も多々あったはず。そこに妥協せずそれを弾ききってしまう所が、また一つの凄さなのかもしれません。
閑話:
Y.マルムスティーンの後にアルカトラズに参加していたスティーヴ・ヴァイさん。ライブでY.マルムスティーン時代の曲を演(や)っていましたが、やはりライトハンドを交えながらでした。
S.ヴァイさんをどうこう言うつもりは全く無く、「オリジナルに近いことをするのは、このレベルの人でさえ大変なんだ」と思った次第ですm(_ _)m
ライジング・フォース:ライヴ・イン・ジャパン ’85(数量限定生産) [DVD]
映像は至って良好。映像の切り替わりも少なく比較的のんびり見られるでしょう
撮影機材や技術的にまだ限界のある時代だったんでしょう
どうしても正面は遠景なのと背面からの映像が入ってきます
ただギターソロになると必ずと言っていいほど出てくる演出効果は明らかに酔う。
編集者はこの手の映像編集に飽き尽くしたのか、またはイングベイが生理的に合わないのか
若き日のイングベイと愛器ダックの壮絶な演奏が見られるのは貴重
最後に、これまでのレビューはどれくらいのボンクラ連中なんでしょうか
映像云々より、ワーワー五月蠅い意図的に放り込まれた観衆SEの方がよっぽど問題
Live in Budokon [DVD] [Import]
いますか?某ウェブショップでは日本製のDVDプレーヤーで再生できます、を記載して販売してるのですが確証持てないので。再生できるなら即買です!あと同じインポート製DVDの「ANIMAL」も日本製DVDプレーヤーで本当に再生できるのでしょうか?知ってる方いらっしゃいますか?
Marching Out
85年発表の、イングヴェイ2枚目のソロアルバムです。前作がインスト物にウェイトが置かれていたのに対し、このアルバムでは、インスト3曲、ボーカル入り8曲とウェイトが逆転しています。イングヴェイというと、とかく早弾きが注目されますが、この頃のイングヴェイの作曲能力の高さも特筆すべきかと思います。北欧系に多い哀愁ある美しいメロディに、イングヴェイのg、ヤンスヨハンソンのkey、そしてジェフスコットソートのvoが重なり、非常にドラマチックなサウンドを創り出しています。もちろん、イングヴェイのgも絶好調で、これでもかと鋭く美しいリフを繰り出しています。
やや音がこもっている点が残念ですが、それを補って余りある聴き応えのあるアルバムになっています。