「桜からの手紙 ~AKB48それぞれの 卒業物語~」 豪華版 DVD-BOX <初回生産限定>
本人たちも撮影中であることをブログ等で話していたし、期待はしていた。
しかし、内容は少し期待を裏切られたようなものでした。
メンバーが多いので、一人一人にスポットをあてるとドラマは長くなってしまう。そうかと言って時間を短くすると話がすぐに解決してしまう。
男性を好きになる話や進路の問題など高校生であれば誰もが悩む問題がドラマの中で比較的短い時間で解決してしまっていたように思える。
最近の通常のドラマでは、45分番組で1クール全10話のうち1,2回分では描かれる問題がこのドラマでは10分×3回くらいで終わっている。さらに30分で3話という放送のスタイルで、1つの話の続きが2,3日後になる。そのため始まるときに前回の話を振り返るので実際の話がさらに短くなっている。マジスカ学園のように30分スタイルの方がわかりやすいし、わかりやすいと思う。
とても多忙な彼女たちであるから、長い期間ドラマの収録で拘束するのは難しいのであろうが、せっかく作るのならばじっくりと作ってもらいたかった。
AKB48 マジすか学園 DVD-BOX(5枚組)
この企画、おそらくAKBメンバーの演技力にはあまり期待しないことを前提に始まったと思うんですよね。
ごく一部を除いて演技経験があまりない子たちばかり。長ゼリフは無理だろうし、逆にセリフなしの表情だけの演技なんてもっと無理。アクションシーンも、派手な立ち回りは無理。
じゃあ、どうしよう。
キャラを立てよう。登場人物の設定は、メンバー本人のキャラをデフォルメしたものにしよう。どんどん自分の個性を押し出してもらおう。セリフはヤンキー口調にしてしまえばボロが出にくいぞ。アクションシーンは、細かくカット割りしてテンポ良くつなげばなんとかなるぞ。そんな風に、自分たちで補える部分はとことん補おうとスタッフが全力でがんばった感があります。
結局、大半のメンバーの演技はやっぱり大根でしたが、キャラの立ち方は見事でした。
特に、サド役の篠田さん。セーラー服に超ミニの毛皮をはおって片手にけん玉という、一歩間違えばギャグになりかねない役を完全に成立させていました。あれはすごい。
ケンカが楽しくてしょうがないという、狂気を宿した優子さんの乱闘シーン。あんな小さな体のどこに、というくらいの迫力でした。優子さんがきっちり締めてくれなければ、この話は成り立りたたなかったはず。
スタッフの熱意。メンバーのがんばり。
結果は、深夜枠にはもったいないくらいの娯楽作。
まぁ、確かに話はB級ですけど。でも、べらぼうにおもしろい。