神と仏の道を歩く―神仏霊場巡拝の道公式ガイドブック (集英社新書 ビジュアル版 10V)
朱印帳や納経帳のあの美しさ。朱の色と墨の黒の神秘的な融合美。
それを求めて四国八十八ヶ所霊場巡りのあとに、西国三十三ヶ所霊場と
新西国三十三ヶ所霊場と共に150余の神仏霊場を巡る旅に出る。
そのとき、参考になるであろう。
金閣寺平成の茶室
北山鹿苑寺の大書院のすぐ近くに平成の茶室として「常足亭」が建築されました。
本書は、その「常足亭」の誕生を記念して制作されたムックで、オールカラー182頁の全てが、北山鹿苑寺の「常足亭」の紹介になっています。
監修者は、相国寺派管長・金閣寺住職の有馬頼底氏、数寄屋棟梁・心傳庵の木下孝一氏、武者小路千家・15代家元後嗣の千宗屋氏です。本書には、3人の鼎談として、「数百年を視野におさめた平成の茶室『常足亭』」という内容で、22頁にわたって、歴史・文化・宗教・建築・茶道にまつわる興味深い話題が展開されていました。各人のバックグラウンドにある教養の深さを知る思いです。
本書は、「金閣寺の沿革と歴史」の章で舎利殿金閣の初層(法水院)内部の写真や、二層内部に安置されている岩屋観音像と四天王像、金閣屋根の鳳凰の写真なども掲載されています。同寺や本山の相國寺にある伊藤若冲の有名な作品や夢窓疎石の墨蹟や足利義満の一行書、牧谿の「江天暮雪図」などの文化財も掲載されています。
後半は、「足まわりの仕口」と題して、3Dでその木組工法を具体的に展開しているのも素晴らしい試みだと思います。これから数奇屋建築や茶室建築に関わろうとする若い設計士にとっても、木下孝一棟梁の仕事は模範にすべきものであるのは間違いなく、その取り組みを図面によって理解することは、技術の伝承をもたらすものでしょう。
欧文も一部分ですが併記してありますので、日本文化の真髄に触れようとする外国の人にとっても理解しやすい編集がなされていると思います。