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遙かなるサン・ヴィセンテ
旧ポルトガル領ガボベルデはポルトガル音楽に影響されたポップスが数多くあります。その中でも大御所といえるのがこのセサリア・エボラおばさんです。
美しいメロディと走るようなギター、憂いを帯びながらも透明感のある彼女のボーカルが哀愁とロマンの世界に誘います。
いまや覇権を失って落ちぶれていくポルトガルの悲しみが、カナリヤ海流に浮かぶガボベルデの美しい空に溶け込んで行きます。
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31km [DVD]
ブルーを基調とした美しい映像、スタイリッシュな演出、突き刺さるような迫力の音響効果。
しかし、ストーリー自体はありがちな亡霊が登場するオカルトもの。
映像表現的にはいわゆる「Jホラー」の影響をかなり受けており
(具体的に言うと「リング」や「呪怨」など)、見せ方は巧いものの
あまりにもオリジナリティが感じられず、見てて白けてしまうものがあります。
それでも「お化け映画」としては及第点のデキではあると思います。
かなりイヤな感じで幕を閉じるラストシーンが個人的には○。