ボン・ヴォヤージュ【運命の36時間】 [DVD]
様々なジャンルの要素を含んだ複合的な脚本とカオスに満ちた映像が本作の魅力です。サスペンスでありコメディであり、ロマンスでもあります。
史実としてナチスドイツの侵攻でパリが陥落した際、フランス政府は刑務所を解放します。本作はその史実を元にしています。どのシーンにもその場のテーマを浮き彫りにするカメラワークが的確に施され、それが本作映像の美しさにつながっています。動乱と雑踏の場面ですら美しく描かれています。
カオスは再生のチャンスです。動乱・混乱の時代はそれまでのしがらみを捨て去り、貧富や格差を是正する人間社会に必要な1つの歴史的過程かもしれません。本作で描き出されている状況が、今日のヨーロッパの状況を暗示しているように思えてなりません。今後を見据える意味でも一見の価値ある作品だと思います。安価での再販もうれしいです。
ジャック・メスリーヌの生涯――世界を震撼させた犯罪王 (ハヤカワ文庫NF)
刑務所に拘留中に書かれた過去の犯罪を中心としたその赤裸々な内容は、自身の裁判に不利に働く可能性も十分にあった。しかし、本人も社会復帰をあきらめたからこそ書いた本だともいえる。
基本は社会・体制に対する憎悪と、家族・仲間・女達への愛情で貫かれている。コントロールできない感情が渦巻く。
2部構成で、第一部は本格的な刑務所生活が始まる前のこと、第二部は収監、脱走の日々がつづられる。
特に第一部は50年代、60年代の白黒映画のようなヨーロッパの雰囲気を存分に感じさせ、上質のノワール小説のようだ。
そして当然のことながら、小説よりも生々しい。
1900年 Blu-ray (2枚組)
ベルトリッチは完全なコミュニスト。本作を見ればそれがしかとわかる。
ファシストは徹底的な黒の悪魔、しかも性的倒錯者(ファシスト役のドナルド・サザーランド=この気が狂ったような黒づくめの役がリアルすぎて不気味=が密会場面でのぞき見していた子供をもてあそぶようにして殺す。殺人に性的快感を覚える人物、という風に描かれている。まあファシストの歴史上の暴虐を見れば、これぐらいの表現は「歴史的に」許される)であることが示唆され、徹底的に揶揄される存在だ。赤いリボンを付けた農民や戦う教師が本作での英雄である。
1900年の時代とは、この黒と赤との血で血を洗う戦いが始まる世紀である──という観点から本作は作られた。
だが、イタリア共産党はその後、ユーロ・コミュニズムを模索、今やマルクス主義そのものを捨て去った。今から見て、ベルトリッチ本人は本作をどう評価するのだろうか、むしろそこが知りたい。
小子は5時間一挙上映を本国以外の世界で初めて敢行した日本での初公開ロードショー(本作は1976年に作られたが、史上初の5時間を超える上映をどうするかを巡り日本の映画興行界で議論が紛糾、新興のフランス映画社によるBOW=ベスト・フィルム・オブ・ザ・ワールド=シリーズの一貫としてようやく公開にこぎ着けられた、という経緯がある)にて本作を見た。
教師役のステファニア・サンドレリには高校時代に本当にしびれた(いや失礼、大学時代だった。見たのは1982年12月24日新宿文化シネマ2〈伊勢丹の近く〉と日付ノートにある。30年も経つと、これぐらい記憶というものは曖昧になる)。
もう一つ、ベルトリッチのコミュニスト的拘りを紹介しておく。本作で巴里の夜のシーンが出てくるが、その映画館でかかっているのはフランスの巨匠・ジャン・ルノワールがフランス共産党の求めに応じて作った幻の映画『人生はわれらのもの』(LA VIE EST A NOUS)という日本では公式な商業上映はされていない作品。海外ではDVD化もされアマゾンのサイトにも入っていたので、そちらの方もレビューをしておいた。
そういう感激の経験を同時代でしたことがない人には、今や何の感慨もない映画かもしれない。本作は正に、熱い時代の70年代だからこそ誕生した、正にその時代でなくては作れなかった映画なのである。
すでにBOXのLD、高画質な北米盤DVDも持っている。今さら、こんなバカ高い値段を付けられてはいくらブルーレイとはいえ、買う気は全く起こらない。
スマイルBEST ダニエラという女 [DVD]
フランス人の監督がイタリア人の一人の女優に対してありったけの「敬意」と
「想い」を表明し、その一人の女優さん(だけ)のために作り上げた映画なんで
はないだろうかという気がしました。モニカ・ベルッチのためにすべてがつくら
れているのだということだろうと思います。バックの音楽も映画の雰囲気とマッ
チしていて、作品をより印象深いものにしています。
ストーリーのテーマは「真実の愛の形」というようなことなのかもしれません
が、この映画で味わうところはストーリーではなく、まさに監督の想いと熱意
なのだということです。
パッケージの写真のイメージと作品の内容は一致していません。とても印象
深い作品です。
モンテ・クリスト伯 [DVD]
モンテ・クリスト伯
長年かかり、やっと手に入れました。
本では何回も読みましたが、頭の中では岩窟王ばかりに思い込み
岩窟王で検索しても見つからなくて、最近、モンテ・クリスト伯と新聞に載っていて
思い出しすぐ、アマゾンさん検索、日本の俳優さんの名前も書いてあったので、
吹き替えはいやだなと、思いながら、頼みました。
早速見たら、字幕も付いていて最高、
まだ最初しか見てないが何回見ても飽きないです。たしか恋人を取られて、罪をかぶせられて、牢屋入れられて
そこで知り合った老人から、宝の山の地図をもらい、やがて金持ちになって、
そこから復讐するのですが、、面白いお薦めです。