美しく、緻密に構築された音楽…なのだが。おすすめ度
★★★★☆
透明感あふれる美しい旋律、アレンジ。幻想的な歌詞。
美声として名の高いLia、Ikukoの参加、混声四重の採用。
また、CDとはとても思えない豪華なパッケージ、アートワーク。
どれをとっても、非常に洗練されていて、
CD1枚にかけるコンセプトがこれほど詰まっている作品も無いだろう。
ただ、折角クラシック的なアプローチで楽曲が作成されているのに
全編打ち込み作成(シンセサイザーの音)で音の感情が乏しく、非常に残念。
一部楽曲でバイオリンを使用し、またボーカルも歌唱力が圧倒的に高い人物を採用しているだけに、
“音”に対するリアルさの落差が激しい。
例えば、音圧が必要な音楽、または音色的に本物より多少無機質なほうが似合っている、
といった理由があれば使い分けも考えられるのだが…
(霜月はるか「ティンダーリアの種」では、曲調に合わせて
生の弦楽とシンセサイザーのバイオリンを使い分けていた例がある。)
本物のオーケストラを採用していれば、精密さの質は落ちるかもしれないが
楽曲の壮大さがより明瞭に、生々しくダイナミックに再現されただろう。
但し、そういった音への不満が出るのは、
本物の楽器の音を知っているクラシック好きな人、
またはごく一部の生音好きなオーディオマニアに限定されている。
要は、超個人的なわがままと思っていただきたい。
基本は楽曲のよさとコンセプトの緻密さに息を呑む作品。
映画音楽、ゲーム音楽といった壮大な雰囲気の音楽が好きな人には
ある意味“直球ストレート”を狙った作品といえるため、是非聴いてもらいたい。
映画の様な壮大な音楽。
おすすめ度 ★★★★★
このCD届いた瞬間、商品を間違えたかと本気で焦りました。見た目、ゲームソフトです(苦笑)めちゃくちゃ手が込んでます。イラストが美麗で思わず眺めてしまいます。
さて。肝心の曲ですが。
一つの物語の始まりと終焉を、上手くまとめています。オーケストラを使った壮大な音楽は、映画を見ている様な気持ちにさせます。やはり大嶋啓之氏は侮れません。
歌詞付きの曲は、key作品でお馴染みのLiaさんと、モンスターハンターのIKUKOさんが歌い手を務めておられます。…正直、歌詞が総て英詞なのを見た瞬間、どうだろう…と一瞬でも懸念してしまった自分ですが、いや、侮っておりました。どちらも素晴らしい歌唱力!優しく包み込むような歌声はぴったりとこの世界にはまっています。兎にも角にも、ファンタジー好きには堪らない一枚でしょう。大嶋さん、Liaさんファンの方も、買って損はないと思います。