ただ、選択的にウェーブから報復を受けることについて、本編で説明がなされているが、それがあまりサイエンティフィックではない気がする。その設定が、謎めいたウェーブの印象を読者に与えるが、説明が出来ないから煙に巻いた感が否めない。
堀晃は長編向きではないのか?おすすめ度
★★★☆☆
全体的な雰囲気は遺跡シリーズそのもの。
短編の舞台としてはよいと思うのだが、長編でこれをやられるのはちょっとつらい。
とにかく暗いのだ。
内容も、設定は壮大なのだが、結局最終章までちまちまとした話が続く。
最終章は思わぬ壮大な展開が待っているが、期待していたほどの謎解きは無い。
堀晃に限らず、「巨大な謎の物体」を扱ったSFはこういう展開が多いけど、
ホーガンのようなカタルシスはありません。あの堀晃の初の長編だ! と期待して
読むとがっかりしてしまうと思います。
物理好きの人には神、それ以外の人にはゴミおすすめ度
★★★☆☆
良くも悪くもハードSF。科学考証は非常に正確になされている(のだろう)。
しかし物理の素養のない人にはチンプンカンプンの数字の羅列のオンパレード。
そして、これはハードSFにはよくある欠点なのだが、ストーリーの方はスカスカ。
主人公も孤独を好む没交渉男で、ひたすら事態を傍観してるだけ。非常につまらないのだ。
宇宙SFだ。
おすすめ度 ★★★★★
日本人の書く宇宙SFはあまり多くないが、堀晃さんの作品は本格的で面白い。
本作も宇宙SFとして立派な作品。もっと評価されて良いと思う。