理性と狂気の間を往復した天才!おすすめ度
★★★★★
ポーといえば、「黒猫」・「アッシャー家の崩壊」・「生きたままの埋葬」のように怪奇オカルト趣味の大家と思われているかもしれないが、それは彼の多岐にわたる偉業のごく一断面に過ぎない。
22歳から雑誌編集者として辣腕をふるい、緻密な論理力とあらゆる分野にわたる該博な知識、および天才というしかない着想と想像力でもって、多数の傑作短編を創出している。
「振り子と陥穽」、「ウィリアム・ウィルソン」、「リジーア」、「赤色病の仮面」、「タール博士とフェザー教授の療法」など、恐怖と怪奇、空想科学とブラックユーモア、詩的感性と文学的構成力など、稀なる異能の天才と呼ぶしかない。
一般には全く知られていないが、精神病院を舞台にした「タール博士と・・」の奇抜な発想には驚くしかなく、推理小説の元祖として名高い「モルグ街の殺人」もそうだが、彼に源流のある小説のジャンルは実に多くある。
中でも、飛びぬけて変わった短編を紹介したい。「群集の人」である。主人公の私は、いつものようにロンドンの雑踏を歩いていて、通り過ぎる人間観察で時間つぶしをするのだが、ある時、ある男の姿が目に入り、どうしても気になってあとをずっと尾行していく話だが、最後の結論には、深い感慨と悲嘆に近い感動に襲われてしまう。
ポーは、今、歴史の片すみに追いやられていっているようだが、あまたの傑作を生み出したこの天才にぜひ、出会って欲しく思います。
世界初の推理小説おすすめ度
★★★★☆
エドガー・ポーはアメリカを代表する怪奇小説家で、
この本の中の「モルグ街の殺人」や「ぬすまれた手紙」は、
世界で初めての推理小説として名高い作品です。
「モルグ街の殺人」は、ある建物でおこった密室殺人のなぞに、
探偵のデュパンがいどむというお話で、
密室殺人のなぞは、予想もしない意外な展開によってとかれ、
事件はみごとに解決します。
怪奇小説が苦手な方も、推理小説がお好きなら、
ぜひ一読してみてください。