ジェフ・バックリィとレディオヘッド好きな人は聴いてみてはおすすめ度
★★★★★
このアルバム全体の素晴らしさからしてみれば、
とても小さなことかもしれませんが、
私は
「<12>Lover, You should have come over / J. Buckley」
と
「<18>High and dry / Radiohead」
に完全にヤられました。
<18>はボーナス・トラックなので、“完全版”の購入をお薦めします。
それぞれジェフ・バックリィとレディオヘッドのカバーなのですが、
アレンジがカッコ良いです。ピアノで盛り上げる感じは、
ベン・フォールズとはまた違ったカッコよさです。
(本人は好きなアーティストの一人に挙げていますが)
アコースティック化にありがちな、パワーダウン、スケールダウン、
テンションの下がり加減、スカスカ加減、ダサダサ加減などは、
まったくありません。
元々の曲が良いこともありますが、これはJamieCullumの力でもあるでしょう。
(さすがにJ.Hendrixのカバーは・・・多分個人的な意見ですが。)
自分の好きな曲もカバーをお願いしたいくらいです。
「カバー?! 原曲聴けばいいのに。」もわかりますが、
これもぜひ聴いてみて下さい。
「やっぱロックがいいけど、寝る前とかウィスキー飲んだときはジャズもいいかな。」
な人に。
ジャズ指向のポップス
おすすめ度 ★★★★★
まず、ジェイミーの自作曲はトラック4、10、14ということで、ソングライターとしてはちょっと寂しい。でも、それを措けば、心地よいジャズ指向のポップス・カヴァーが聴けます。
ジャズ指向のポップスは、ノラ・ジョーンズ、マデリン・ペルーらのものとも共通する、最近のポピュラー音楽界の傾向です。だとしても、ノラ、マデリンらのジャズ指向と比べると、ジェイミーのジャズ指向のほうは、ヴォーカルに関してはややソウルフルというだけではなく、アレンジに関してストリングス、サルサ、ハンド・クラップ(手拍子)などが入って音数が多く、テンポに関してスローよりもミディアム、アップよりの曲が多いです。さらに、このスタジオ・レコーディング盤でも、ジェイミー自身のピアノも含めて、ミュージシャン個人のインプロヴィゼーション(即興演奏)もちらほら聞かせてくれるという点で、ジャズ・セッションの要素がはっきりと出ています。
この拡大盤もしくは完全盤に加わった四つのボーナス・トラックも、聴いていてレギュラー・トラックとまったく違和感ありません。むしろ、映画のテーマ曲になったトラック15、U2もカヴァーしたことのあるトラック15がいちばん注目されているナンバーです。あと、トラック18はライヴ録音。
オリジナル曲も半分ぐらい入っていますが、ジェイミーのソングライティングのほうよりも、ポップスの名曲の、ジェイミー流の、そしてジャズ指向の歌唱・演奏・カヴァーのほうが聴きどころだとぼくは思いました。
歌詞はついてません。
概要
『トゥウェンティーサムシング』はすばらしいセカンドアルバムだ。ファーストアルバムの『ポイントレス・ノスタルジック』で有名になった後、ジェイミー・カラムは豪快にも、ヴァーヴと100万ポンドの契約をした。プレッシャーがあったにせよ、カラムは自分のファーストアルバムにはその片隣も伺わせない。『ポイントレス・ノスタルジック』は、自分の学生ローンを使って録音し、その後はオアシスやレイディオヘッズが録音したロンドンのメイフェアのスタジオで録音し直し、シンプリー・レッド、BBキング、マスターズ・アット・ワークスも手がけたレヴィーンがプロデュースした。有名な彼らのように、カルミはスタンダードナンバーとポピュラークラシックをカバーした。 「ウォッツ・ア・ディファレンス・ア・デイ・メイド」と、「シンギング・イン・ザ・レイン」と、「アイ・ゲッツ・ア・キック・アウト・オブ・ユー」などの曲目を、くせのある暖かい声で歌っている。このアルバムは他に、ジェフ・バックリーの「ラバー・ユー・シュド・ハブ・カム・オーバー」や、ジミ・ヘンドリックの「ウィンド・クライズ・メアリー」のような歌をもカバーしている。その他、ジェイミーが兄弟のベンと共作した「オール・ザット・シー」や、ヴァン・モリソン調の歌も収録されている。誰かに100万ポンドの価値があるかどうかはわからないが、この『トゥウェンティーサムシング』は確かに100万ポンドの音がするし、このアルバムを聴けばカラムが今一番のクルーナーだということは確信できるだろう。