Review:宇宙海賊?銀河パトロール隊?一見するともう時代遅れ的名称がやたらと目立つ。だけど読んでみると・・・何でだろう?新鮮な驚きと、カッコイイ大人像(w)に満ちている!最近のSF小説を読んでいて思った物足りなさ。それを補う全てがこの『レンズマン』には満ちています。面白いことは保証します!聖なるクロノ神の爪の先に賭けてね!確かに、ネーミングセンスやある程度の科学的な事柄は古めかしい部分もあります。でも、この作品が60年も前に書かれたことを考えれば、逆に新しさを伴って僕たちに迫ってきます。ハッキリ言って、『過去を懐かしむファン』のための作品ではないです。『新しくSFに触れる人』や『若いSFファン』に読んで欲しい!そういうわけで、皆様にとってのSFがより良き物でありますように・・・クリア・エーテル!
SFの古典的名作。SF小説・映画・アニメにその影響を与えた不朽の名作おすすめ度
★★★★★
人類が銀河全体に活動範囲を広げる過程で様様な知的生物との接触を経て共存しているという遠い未来。
銀河の治安を守るために組織された銀河パトロール隊に高級士官として配属される若きレンズマン、キムボール・キニスンの活躍と成長を描くシリーズの第一作。
原作が書かれたのは1937年(昭和12年)!! しかしながらアイディア満載、次から次への危機が襲う、スピード感のある展開は全く古さを感じさせない。
本作が、これ以後の多数の作品に影響を与えたことでも本作の価値がわかる。
例えば「スターウォーズ」。他の宇宙船を捕捉するために使う「トラクタービーム」はそのまま登場したし、またスターウォーズの銀河では、様様な形態の知的生物が共存しているという設定もこの作品の影響ではないかと思う。例えば「宇宙戦艦ヤマト」での真田技術長や島航海長といったキャラ設定は本作でキニスンが指揮をとる戦艦ドーントレス号のスタッフのキャラと重なる。ヒロインのクリッサ・マクドゥガルが従軍看護婦というところも、ヤマトのヒロインと同じ・・?斧を振るって白兵戦を戦うバン・バスカーク率いる宇宙海兵隊は、「ヤマト」の陸戦隊や「銀河英雄伝説」のローゼンリッターを彷彿とさせる。言い忘れたが、古橋秀之の「サムライ・レンズマン」(お勧めです!)は本シリーズへのリスペクトに溢れる完全な後継作。(ほかに本作自体のアニメ化作品もあったが、これは無視してください・・)。
新版にあわせ、表紙が生頼範義の豪華なイラストに変わった(こういうのは是非大きな版で見たい)。旧版の表紙を飾っていた真鍋博の未来図も悪くはなかったが、ぜんぜん印象が違う。
神に誓って、面白い!おすすめ度
★★★★★
初めて、この『レンズマン・シリーズ』を読んだのは中学生の時、私にとって擦り切れる程まで読み返した宝物のような本となりましたが、当時私の住んでいた地方の小さな小さな町では、E・E・スミスの認知度は低いというより、ほとんどゼロであったと思います。しかも、当時のスペース・オペラへのというよりSF全般への社会的評価はすこぶる低く、中学生という立場であっても、友人にこの『レンズマン・シリーズ』を自信を持って声高らかに紹介することができませんでした。少々恥ずかしかったのです。そして、何回かの転居の間に、いつしか失くしてしまいました。・・・ この本にまた再会できるとは、・・・ 一挙に大人買いしてしまい、久しぶりに寝食忘れて読み耽ってしまいました。面白い! すこぶる面白い! 今こそ、自信を持って声高らかに紹介させてもらいたいと思います。本当に、神に誓って、面白い! 私のこれまでの本読み人生のすべてを懸けて面白い! この面白さ、決して個人的な懐かしさからだけのものではないと思います。
ただ、もうびっくりおすすめ度
★★★★★
レンズマンの新訳が出るとは、ただもうびっくりです。
昔の旧訳の時も食い入るように読みました。面白い、ひたすら面白い。だんだん強い敵が現れ、レンズマン側もだんだんスケールアップしていく・・・わかりやすく言えば少年漫画の連載物みたいなノリ(レンズマンファンの方ごめんなさい)。
血湧き肉躍るスペースオペラの復活を買い支えようではないか!!!