マリア・カラス 聖なる怪物
600ページ近い大冊である。カラスの全期にわたる舞台写真も充実していて、情報の豊富さと相俟ち、伝記ものの本としては申し分ない。カラスの音楽的信念や、公私を巡る毀誉褒貶が著者の沈着な筆致で紹介される。海の物とも山の者とも分からない、しかし恐ろしいほどの光彩を放つ若き日のカラスは順風満帆ではなく、かつてない新しいものに対する抵抗への常で、数々の煮え湯、冷や水にこと欠かない。
1955年の「椿姫」スカラ座公演でわれわれには頂点にたどり着いた感のあるカラスの存在が、実は聴衆の50%がアンチ カラスで敵対していたという指揮者ジュリーニの言を聞いて耳目を疑ったが、その経緯などはこの著作を読むと頷かされる。
エターナル・マリア・カラス DVD
「マリア・カラスの真実」を見てから彼女の舞台を見たくなりこの「エターナル・マリアカラス」を購入しました。1958年のパリ公演からヨーロッパでの公演が収録されています。圧倒的なあの声にはただただ聞き入るばかりですが、これに表情が加わると鬼気迫るものがあります。カルメンのカラスとジャンニスキッキのカラス、表現力は女優としても超一流ですね!
なお、このDVDには短くカラスの生涯を紹介した部分とカラーのインタビュー(ただし英語・フランス語)があり選択しなければ再生されませんのでご注意!
また、彼女のお気に入りでしょう大粒のダイヤのネックレスとイヤリングを付けた舞台がよく見られます。
女性には目の毒でしょうが。
ベスト・マリア・カラス100
私はいわゆるオ−ディオマニアですが、音楽好きが高じてマニアになったわけで
カラスの歌声を聴くと、音なんてどうでも良くなります。
3000円ととても手軽に買える値段です。
特にクラシック初心者には是非とも聴いてほしいです。
classical ever!one
誰でも一度は聞いた事がある、そして好きになれる曲ばかりです。
クラシックのおいしい所だけを抜き出したクラシックの決定版です。
クラシック初心者、癒されたい人、必聴です!!
個人的には音の進行がとてもきれいなチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番がオススメです。
マリア・カラスの真実 [DVD]
私のようにあまりオペラに詳しくなくても、充分堪能できるドキュメンタリー映画です。
同じ女として、マリア・カラスの生涯に、心を打たれました。
心が折れるというか、まるで、ギリシャ悲劇のような彼女の愛の一生。
輝ける美と実力と名声と富を得た、ディーヴァの人生の光と影が、克明に綴られたドキュメンタリーです。
彼女の両親は、ギリシャ系移民で、カラスはNY育ち。彼女の生い立ち、一生続いた母親との確執は、私が初めて知った側面です。
10代の頃の歌声や、全盛期の映像と歌、生涯で2度の変身を遂げるカラスなど見所は満載。
彼女が初めて本物の愛を知った、海運王オナシスとの悲恋があまりにも切なく、胸が痛みます。オナシスの男子を出産後、すぐに子供が死亡。その事実を隠して人前に出なければならなかったカラス。この時の映像が、あまりにも痛々しい。オナシスとの愛の悲劇の序章です。
また、ヴィスコンティ監督とのTV番組の対談の映像や、カラスの最初の夫との新婚時代の映像、モナコのグレース王妃などあらゆるセレブリティ達の姿も見られるので、その部分も充分堪能できると思います。パゾリーニ監督の「王女メディア」のメイキング、マスタークラスの映像もあります。