パール・ハーバー(吹) [VHS]
私はアメリカが嫌いなわけではない。
だがこの映画(と称するのもどうか?)は酷すぎる。
破綻したストーリー、無駄に予算を投入したCG、
一考すらされていない歴史考証、よく分からない宣伝…。
まさしく悪しきハリウッドが凝縮された逸品で、
アメリカ人の歪んだ日本観を垣間見ることができる。
これは映画ではない。
アメリカの負の部分をうかがう為の資料だ。
その意味では間違いなく☆五つ。
言うまでもなく映画としての出来は論外中の論外。
…これって載るのかなぁ?
ブラディ・ダーウィン: もうひとつのパール・ハーバー
本書『ブラディ・ダーウィン』は、1942年2月19日オーストラリアの港湾都市ダーウィンへの日本軍による攻撃と、その余波をつづったノンフィクションである。真珠湾攻撃から2ヶ月あまり後の出来事だけれども、第二次世界大戦の戦史にも記述がほとんど見られないという。僕のオーストラリアへの知識不足だけではなく、オーストラリアにおいても語られることが少ないようだ。今もって史上最大の犠牲者を出したにもかかわらず。何故なのか。僕の本書の興味の中心はここにある。
ダーウィンの成り立ちや、地理的な特徴、大戦における戦略的位置づけ等、詳細に解説されているので予備知識なくとも読み進められる。ただ、著者がオーストラリアのジャーナリストであるから本国では自明のイギリス連邦との関連や、白豪主義については詳述されていない。ここは、おさえておいた方が良いだろう。
本書は、政府の刊行物や、同テーマの書籍、当時の関係者の証言の数々からまとめ上げられている。所々、著者による考察が見られるとはいえ、戦史としての事実が淡々と続くため、一気に楽しく読めましたとはいかない。じっくり読み込んでいくことになる。ひとつの事実を、証言を挿入しつつ多視点から詳述しており、ノンフィクションでありながら臨場感を醸成することに成功していると思う。主要な人物たちがどのような考えのもと、どのような行動をとっていたのかが、時系列で追いかけやすくなっているのも良い。
特徴的なのは、日本軍の攻撃の非を問うているものではないことだろうか。戦時下という特殊事情において、ダーウィンが日本の戦略上の重要拠点であったことから、それを予見し手を打てなかったオーストラリアの明らかな準備不足を指摘しているにすぎない。どうも真珠湾攻撃に対するアメリカの論調とは違うようだ(真珠湾攻撃によるアメリカの被害の方が甚大ではあるのだが)。
ダーウィン空襲は日本軍の圧倒的な勝利に終わり、余波としてリーダシップや統制の欠如の露呈、情報網の崩壊、「アデレード・リバー競馬レース」に例えられる市民らの一斉南下(都市の放棄)、そして軍も関与した略奪の横行が見られたと著者はいう。これを汚辱としてしまったがゆえに、戦禍がそのものも忘れ去られてしまったということなのだろうか。
本書は、野中郁次郎他『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』の失敗の本質=あいまいな目的意識、統合的な戦略の欠如、環境変化への対応力不足、不完全なダメージコントロール・コンティンジェンシープランに符号するようだ。訳者あとがきにあるように、震災後の日本においては、教訓とすべき先例ととらえるべきなのだろう。
パール・ハーバー
映画そのものがあまりにも醜悪であるために、作品に関連する全ての要素も愚弄され、無視された感じであるが、個人的には、Hans Zimmerとその弟子の作曲した音楽はそれほどひどいものではないと思っている。
HZは、ポストプロダクションの時間が随分と縮小されたために、作曲に十分な時間を確保することができなかったという発言をしている。
実際、全体的には、この作曲家の実力が真に発揮された作品とはいえないし、また、発売されたサウンドトラックには、実際に作曲された音楽のうち半分も収録されていない。
ただ、それでも“Attack”と“December 7th”という2曲は、純粋なレクイエムとして、映像ときりはなしても鑑賞に充分に耐えるものだと思う。
和太鼓の連打と共に導入される短い劇的な音楽を経て、音楽は宗教的な雰囲気をたたえた悲壮と静寂の音楽に変転していく。
そこには、極限状況のなかで生まれる、あの時間の流れが停滞してしまったかのような不思議な意識状態の清澄な質感が見事にとらえられている。
いつものように、オーケストラと合唱団とシンセサイザーを融合して奏でられる音楽は、少なくとも、今日「癒しの音楽」として消費されているありきたりのムード音楽の魅力を凌駕するものである。
基本的には、HZという作曲家の感性は、19世紀のロマン派のそれに近似するものであるが、ただそこには最新の電子楽器を駆使して、また、適度なワールド・ミュージックの味わいを付けくわえて創りあげられた新鮮さが息づいている。
個人的には、これまでに古典的な作品を聴き尽くし、その精神的な深みを探求してきた音楽愛好家には、あんがいこうした作品というのは、向いているのではないと思うのだが……。
パール・ハーバー’79
ニート、ひきこもり、ネット難民、ワーキングプア、ホームレス、全ての社会的弱者の味方
今の日本に是非必要なのがこれ、
何がなんでも、聴いてくれ。
暴れたくなる、血が騒ぐ、徹底的に過剰なくらい自己責任ばかりを一方的に押し付ける
社会に対して、反旗をひるがえせ。
パール・ハーバー’79(紙ジャケット仕様)
最高のリイシューです。この絶妙な選曲。いつか、再発されないかと待ちわびていました。アナログ盤を忠実に再現したジャケット、シングル盤をCDシングルにして付けるなど、手が込んでいます。もう一つ欲をいえばアナログ盤のライナーも再現して欲しかったかな・・・。でも、欲は言うまい。聞いて下さい。