カラー版 20世紀の美術
ピカソのある一時期の一作品を観るだけで、すぐさまその価値を理解できる人は少ないだろう。それにはある程度理詰めの学習が必要とされるからだ。しかし一度ピカソの生涯に亘る作風の変遷と、その当時の社会的あるいは美術的動向に目をやるなら、そうした作品の必然性と彼の美学を受け入れることができるはずだ。デュシャンの『泉』ではサイン入りの便器が芸術作品に成り得るとすれば、その理由はその時代の社会背景と彼の思想にある。20世紀美術を理解するには、視覚や個人の美的感覚に頼るだけでは不充分で、アーティストのイデオロギーの流れを知ることが不可欠になる。というのもこの時代の芸術家たちは自ら改革者、あるいは伝統の破壊者としての自覚を持って作品の創造に携わっていたからに他ならない。
本書は加速度的で、また同時多発的な現代美術史の動向を平易に、しかも話題に上る画家や彫刻家の作品を、小さいながらも最低一枚のカラー写真を掲載して解説しているところに特徴がある。また巻末には美術史の系譜と掲載された作品のデータ、それに簡単な用語解説集と参考文献及び人名索引が付けられた懇切丁寧な編集になっている。
増補改訂版 はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで
3分の一が日本音楽の歴史であるところがうれしい。
どうも音楽というと、ヨーロッパに偏重していて、
アジアやアフリカ,中南米の音楽が置き去りに鳴っていることがある。
日本でも,沖縄やアイヌについてもふれているところが良い。
詩吟については記事がみあたらなかったので、どこまでを音楽と捉えているかの境界の問題かもしれない。
三鷹の中心で「なう!」をつぶやく
すっかり「体当たり取材漫画家(ただし西原理恵子には収入面でも人気面でも大差で負ける)」が(実は結構得意分野の)電脳路線でいつも通りの体験漫画。いつもと違うのは担当編集者。お馴染みの「無茶振り指令」とは違います。表紙でこそ作者が泣いていますが、実際は担当の方が泣く頻度が高いです。
ならず者【DVD】
長い間石井輝男ファンの間で傑作と評価され、脚本家の桂千穂や映画雑誌の一般投稿で熱く語られていたにも関わらずだいぶ前にビデオになったきりのこの映画がやっとDVDになりました。何しろ肝心のフィルムが悪化していて、何年か前にボロボロの映像を見ながらこの映画はフィルムとともに消えていくんじゃないかと考えたりしましたからね。ストーリーや石井輝男の演出、八木正生の音楽や役者の熱演等の魅力は他のファンがいくつかのサイトで熱烈に語っているのでそちらを参考にしてください。私としては現在のTVドラマや映画を見るより、是非このDVDを買って見ることをお勧めします!嘘がつけない殺し屋・南条(高倉健)の生きざまに心が熱くなりますよ。
おむかえまで8時間 2 (クイーンズコミックス)
幼児を抱えたマンガ家現代洋子氏が、保育園で預かってもらっている8時間の間で一体どんな体験ができるか。。?をネタにレポートマンガを書いた「おむかえまで8時間」。ママモノというと、かわいくて面白い子供との日々を書いたものばかりだった中、子供と離れて、かつ、「8時間以内に絶対に行かなきゃ。」という子供を預けて働きに出た事のある人や、これからそうなりそうだと情報収集している人には手に取るようにわかるヒリヒリ感のある新種の縛りプレイとして、新鮮なスリルと面白さをアジあわせてくれた。
たった2巻で終わってしまう。。と言うのは寂しくもあるが、月刊誌で5ページの連載なので2年で単行本1冊。
そして4年たてば子ども達はもう幼児ではないのである。
ここで、無理に伸ばさなかったのはいいと思う。
もとの縛りを尊重する事で最後まで緊張感を保つ事が出来た。
そして、「子育ての大変な期間って、実は結構短い?」という、子育てを恐れる若い世代へもいいメッセージに。。。なってるといいなw
前作では東京から南紀白浜までいったり、時間的スリルがあったがついに1泊旅行(子連れ)敢行するなど、今作は予算も増えたのか?バラエティーに飛んでいるし、「xx改造計画」「護身術」「アキバ探訪」など時勢の好奇心にも応えている。
これは編集者、ナカナカの力量。
今後の現代氏の新作にも期待したい!
おもしろかったわ!(ヾ#.+゚*'v`)ノノ・゚・ぱちぱち☆