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北条時宗―蒙古襲来と若き執権の果断 (歴史群像シリーズ (64))
イラストや写真がふんだんに載せられているので、目で見る部分が多く楽しめるもの。元寇の戦闘場面など文章だけではイメージしずらい所も理解しやすくなっている。このような点で鎌倉時代の背景がつかみやすい。
所々に出来事や用語の解説などもあり丁寧な作りになっている。文章や図、年表など良く調和され難解な印象はなく読みやすい。
知識を探求するような専門的なものではないが、鎌倉時代や元寇を初めて知るのには良い案内となる。
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時宗 巻の弐 連星 (講談社文庫)
地方に御家人がちらばり、
一所懸命が本分だった鎌倉武士の時代。
勝利しても恩賞も出せない
侵略者との戦いにおいて
国を守るということを訴える時宗。
国を守ると同時に命がつきる時宗。
まさに全身全霊だったのだろう。
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時宗 巻の参 震星 (講談社文庫)
NHK大河ドラマの原作本。この巻から漸く『時宗』が主役!と思いきや、お兄ちゃんの時輔が主役の座を奪っております。史実としてより、小説としての面白さ、醍醐味が溢れている作品。人間関係がドラマと180度違うので、ドラマと原作、2度美味しいです。
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時宗 巻の四 戦星 (講談社文庫)
<巻の4>では、2度の襲来の様子が描かれている。
私がこの巻で注目したいのは、なんと言っても1度目の襲来から2度目の襲来の間の、時輔の大都での諜報活動である。鎌倉幕府に斬られた杜世中の家族に取り入ることから始めて、再度の襲来を画策するクビライに対する情報操作を成功させる。
ここで、あのマルコ・ポーロまでが登場するのだから、本当に面白いが、それは皆さんが実際に読んでお確かめください。
ただ、ひとつだけ欠点を挙げるとすれば、戦場の描写部分が長すぎること。迫力満点のまま、延々と続くので、おなかいっぱいを通り越して疲れてしまう。
よって、星4つです。
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時宗 巻の壱 乱星 (講談社文庫)
大河ドラマでは一瞬で終わってしまった対三浦氏戦略などが、じっくり丁寧に描かれています。北条氏の結束や頭の良さに、惚れ惚れしてしまいます。学校で習う日本史で、北条氏=悪徳政治家、というイメージを持ってしまった方、この作品で北条氏の違った一面を見てみませんか?