武学入門 武術は身体を脳化する
身体能力という言葉にある、表面的な感覚では語れない「武道の奥深さ」を活字に表した良書だと思います。
私は剣道をしていますが、剣道もある段階から精神的な部分の修行に入ります。
筋力による、運動能力とは別の次元の「感性」を磨かなければ、本来の武道の味わいは実感できず、また、達人の技を学ぶことは出来ません。
未だ、武道の入口付近での実体験しかない、未熟な私が知った風なことを言うのもおこがましいですが、活字による具体的説明がなされていると思います。
武道的な探求は、仏教で言う「悟り」と同じ領域だと思いますので、ある程度の修行(追求)期間が必要ですが、本書によって、そのまま仮体験できるような内容で、「気付き」への導きとなっています。
日本の刀文化 → 昔の剣豪による武術の追求 → 人間(社会)形成となる「道」への昇華
時代を経て、進化する日本伝統武道への賞賛と、武道の追求による「感性」の磨きで、実社会の仕事や生活に生かせるようにとの、著者の思いが感じる、お勧めの本です。
中国武術で驚異のカラダ革命―脳が元気になる!身体が強靭になる! (Rippu best mook)
福昌堂の「武術」のメンバーが抜けそこでの人脈を生かした営業回りを兼ねた現代武術家紹介のムック本だが、注目は幻の流派として系統が途絶えたとされていた馬貴派八卦掌の李明貴氏と最初の全日本太極拳演舞チャンピオン遠藤氏と甲野善紀氏の対談。李氏は「真の伝統」を甲野、遠藤両氏に公開それをヒントに後に甲野氏は足裏の垂直離陸を得て技が大きく進展し、遠藤氏は30年の内家拳研究の謎が氷解する。武術・科学の問題だけにとどまらず現代人のもつ身体観の危機的状況を浮き彫りにする武術家3名の対談。この部分だけでも読む価値あり。