隠し砦の三悪人 オリジナル・サウンドトラック
「ローレライ」でコンビを組んだ樋口真嗣監督と音楽・佐藤直紀氏の2度目の作品。
樋口版「隠し砦の三悪人」はリボーンということで人物設定や物語などを黒澤版「隠し砦の三悪人」とは別物になりましたが、音楽も佐藤勝氏の音楽とは全く別物の、ハリウッド大作のような壮大なスコアになっています。
さて、樋口×佐藤コンビ初作品「ローレライ」の音楽の雰囲気はハンス・ジマー風な感じでしたが、今回は全体的にジェームズ・ホーナー風な感じでした。
主役である武蔵と新八のテーマは明るく、敵役である山名のテーマはおどろおどろしく攻撃的で、特に4曲目の秋月側のテーマの美しく、悲哀に満ちたメロディは必聴です!
ハリウッド映画のスコアの真似だ!二番煎じだ!と批判する人もいるでしょうが、単純に日本でこれだけハッタリの効いた(良い意味でですよ(^^ゞ)音楽を作れる人が出てきたことを喜ぶべきでしょう。
(しかし黒澤版「隠し砦」の佐藤勝氏のタイトル・バックの音楽はどこかに入れてほしかった…)
ちなみに、このサントラには劇中の山名の火祭りの音楽は入っていないので、そこを気にする方はご注意を。
隠し砦の三悪人 [Blu-ray]
小学生の頃にテレビで見たときの姫様の印象が強烈だったのを覚えています。今回、隠し砦の三悪人を購入し改めて見直しますと始めから終りまで昔覚えた感動が蘇ってくるようでした。これぞ名作です!
黒澤明 MEMORIAL10 8:隠し砦の三悪人 (小学館DVD&BOOK)
映画の内容については、言わなくてもこれを買おうと言う方々ですから、殆ど知っていると思いますし、傑作だと言う事も解りきっていると思いますから省略させて頂いて、問題は32Pに及ぶブックレットです。中々いいお値段ですから、DVD等の映像作品はもう持っていて、同じ内容で+α(つまりブックレットの内容)になるが、それでも良いぜって言う方や、DVD持ってないけどこの映画は大好きで、是非ともDVDが欲しい!というファンの方にはお勧めできます。
ブックレットでは、劇中の冒頭で衝撃的な最期を遂げた落武者役の加藤武さんのインタビュー等が個人的にオススメですかね。初めてこの映画を見たのが幼稚園の時でしたので、はっきり言うと何もかもが衝撃でしたが、特に加藤武さんの死ぬシーンと石段のシーンには震え上がった憶えがありますので、色々と楽しく読めました(結構勉強にもなるし)。
勿論、あの石段を暴徒と化した人々が駆け下りる件の事も書かれてあります。
何より山田洋次監督の大衆娯楽映画に対する思い入れが伝わるインタビューが素晴らしい。
これは、映画・映像業界に行きたいと思っている人だけでなく、クリエイター志望の人全てに買って頂きたい、そんなDVD&BOOKですね。
ついでに言うと、黒澤映画は声聞き取り辛く、台詞が解らないと言う人、結構いると思うんですが、このDVDのメニューでは日本語字幕が選べるようになっています。もしよかったら字幕でも楽しめるので、試してみるのもいいかと思います。
acteur(アクチュール) No.11 (2008 JUNE) (キネ旬ムック)
アクチュールはもう数冊手に入れましたが、
その数冊に共通するのは、それぞれの俳優の魅
力を引き出した写真と、インタビューの内容の
質の高さです。
今回は、「アフタースクール」が公開されている、
大泉洋さんが表紙です。
そして、大泉さんの写真とインタビュー、記事で
14P、「アフタースクール」の3人の出演者による
座談会という形で、映画に関することが語られてい
ます。
その他にも、松本潤さん、三上博史さん、大沢たか
おさん、上川隆也さん等、実力派の俳優さんたちの
インタビューや写真が載っています。
インタビューだけではなく、対談の形もあります。
いろいろな形で、質を高めていこうとする、そんな
編集の姿勢がいいなあと思います。
隠し砦の三悪人 [DVD]
この映画のいいところは本当にたくさんあると思いますが、特筆すべきは三船敏郎のすごさでしょう。「七人の侍」や「羅生門」での破天荒な役回りと違い、堂々たる侍大将役。槍や刀を持っての立ち回りもそうですが、何といっても山名兵を追いかかる時の、乗馬のカッコよさが秀でています。刀を上段に構えたまま、背筋をピンと伸ばし、疾走する姿は、ただただ美しいの一言。普通、あんなことはせず、手綱を握り、ひたすら追いかけ、追いついたところで、切ってかかるんですが、その方が効率的とわかっていても、あえてあのように見せたかった黒澤監督と、それに応えた三船敏郎には脱帽以外の言葉が見つかりません。藤原釜足と千秋実のコンビも最高。娯楽映画としては、日本のいや、世界の最高峰に位置する映画ではないかと思います。