ヒラリー・ハーン デビュー! バッハ:シャコンヌ
僕はチェロ昔弾いたので、バッハの無伴奏と言えば、チェロ曲でした。でもチェロの無伴奏バッハは、厳しい!!超一流の演奏家でも音程外します、少なからず。途中でリズム皆さん狂います。どこが小節の頭か分かりません。超一流でです。久しぶりにAmazonで、発見しました。ヒラリーハーン、知りませんでした。ジャケット写真に惹かれて、思わず。聴いてビックリ!!17才でこんなバッハ弾いていいものなのか?彼女が今弾くバッハをコンサートで、ぜひ聴きたい。ありがとう、素晴らしいバッハを!
Hilary Hahn, A Portrait [DVD] [Import]
このDVDはコンサートやリハーサルの映像に加え、彼女自身と一緒に働いたことのある音楽家インタビューを通じて、ヒラリー・ハーンというヴァイオリニストの音楽と人物像を描きだすドキュメンタリーフィルムです。
収録曲はコルンゴールドのヴァイオリン協奏曲、バッハのシャコンヌ、 モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第25番。
彼女のインタビューから受ける印象は、音楽に対する豊富な知識と深い愛着に基づいたプロの音楽家としての自覚、そして若くして成功をおさめたことをおくびにも出さない謙虚さです。なかでも一番驚いたのは「私は自分のCDがその作品に対する評価を一変させたりできるなんていう幻想は抱いていません 」との発言です。彼女のCDを聴いてから、エルガーやバーバーそしてメイヤーの音楽のファンになり、バッハの素晴らしさを再評価するようになった私としては、彼女の発言は過小評価としか言いようがありません。
こう書くと、彼女は真面目で近寄りがたい人間に聞こえますが、このDVDから見えてくる彼女の人物像はその反対です。母校のカーチス音楽院を案内する姿はまさに少女時代にもどったかのようですし、このDVDに収録されているサイン会もファンを大切にする彼女にとっては珍しいことではありません。私自身も昨年1度コンサートに行きましたが、 彼女はコンサート後にスウェトシャツでロビーに出て来て1時間近くもサインと握手をしていました。
このDVDはRegion Allなので日本のDVDプレヤーやパソコンでも再生可能ですが、やはり日本語字幕がないと楽しみが半減する気がします。内容は素晴らしいので彼女のファンを日本でもっと増やすためにも国内版の発売を望みます。
ツィゴイネルワイゼン~ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリン
私はヴァイオリニストではないが、ハイフェッツは、音楽好きとしての私の生涯に決定的な影響を与えた人間であり、「ソリスト」という人種の中でも超一級の個人が持つ人間離れしたインパクトを文字通り私に刻印した芸術家の一人である。ハイフェッツで育って後、私は金を払って「聞きたい」と思ったヴァイオリニストは一人もいない。さて、これはRCAビクターからLPで出ていたものの焼き直し。さすがに録音が古いので、最近のCDのような音質は望むことはできないが、そんな悪条件の中でも、驚異的なパッセージのこなし、全くよどみのないアルペジオ、いきなり放り込む歌うようなルバートなど、どれをとっても最近のヴァイオリニストには期待のかけらもできないような別格の芸術性が十分に伝わってきて鳥肌が立つ。これでもし本人の生の演奏が目の前で聞けたら、おそらくそのインパクトは数十倍もあろうかと思われる。ツィゴイネルワイゼンは、最終楽章・オーケストラがついて来れなくなってまだるっこしいので、完全に無視して一人で突っ走っているところが楽しい。最近の腐った商業主義音楽ならコンピュータでアインザッツを合わせたりしてしまうのだろう。バカな時代になったものである。
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 他
ムターの力強い演奏とは違って、美しい音色を奏でるブラームスのヴァイオリン協奏曲。デビュー盤のシャコンヌで清んだような音色に聴き入ってしまいましたが、これも同じような感動モノです。
教皇ベネディクト16世バースデイ・コンサート [DVD]
クラッシック界の若い世代を代表する指揮者とヴァイオリニストがローマ法王の80歳の誕生日を祝う特別なコンサートで競演。
収録曲は
1. ガブリエリ:第9旋法による12声のカンツォーナ
2. モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第3番
3.ドヴォルザーク:交響曲 第9番 《新世界より》
4.ガブリエリ:ソナタ第13番
指揮はベネゼーラ出身のグスターボ・ドゥダメル(26歳)、ヴァイオリン独奏はアメリカ人のヒラリー・ハーン(28歳)と若手で固め、管弦楽は法王の祖国ドイツからシュトゥットガルト放送交響楽団を招くという趣向のこらし方。
まず、モーツアルトのヴァイオリン協奏曲ですが、ハーンは出だしこそやや緊張気味ですが、曲が進むにつれいつもどおりの切れと躍動感のある響きが戻ってきます。そして注目は第一楽章の結びで演奏されるハーンオリジナルのカデンツァ。 それにしてもモーツアルトを聴いている時の法王は怖いくらい真剣です。クラッシック音楽好きで知られ、当コンサートの選曲にも法王の意向が反映していたとのこと。オリジナルのカデンツァは、そんな法王に対してハーンが贈った心尽くしのプレゼントだったような気がします。
続いてドヴォルザークの《新世界より》ですが、ドゥダメルはスリリングな第一楽章、温かな第二楽章、スピーディーな第三楽章、そして力強い第四楽章とそれぞれの特徴をうまく捉えて一流のオーケストラをグイグイ引っぱります。汗だくになりながら全力で指揮をする真剣さと時折笑顔を見せる余裕も併せ持つ点に大物の片鱗を見た気がします。2009年からロサンゼルス交響楽団の音楽監督に就任する、というニュースを聞いた時はその若さに驚かされましたが、この演奏を聴いて今後が楽しみになりました。
内容は5つ星ですが、日本版はまだまだ高価なのでリージョンフリーの輸入版 (ASIN: B000PUB2B6)の方がよりお勧めです。