貧困旅行記 (新潮文庫)
オレのダメっぷり(男として、社会人として)を頼んでもいないのに更に背中からポンっと虫の息とともに後押ししてくれるようなそんなシミッタレ具合とヌケ具合に共感を超え同志のような気分に陥る。マズイでしょう。引き返せません、ボク。
<もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら>をコッソリ読んでるような会社の阿呆上司にも薦めたい1冊。
ねじ式 (小学館文庫)
産婦人科医の後ろで日本海軍の戦艦が交戦中なんだけどまあそれもいいかなと思えてくる精神的ゆとりを覚える。
あと所々で遠近法とか無視してるんだけど他にもいろいろ無視してるのであんまり気にならない。
機関車も線路がないところを無理やり走ってるようだけど、そんなのだんだんどうでもよくなるからだいじょうぶ。
金太郎飴ビルは石油化学工場のようで萌えますた。あれなんちゅう巨大資本でしょう。おばあさんがレバー一本で操作してたらぃ。
お面をつけた機関士の坊やはペンギン村にもいますたね。あの子だったのですね。
明日の残りご飯を食べるような、誕生日を2回変更するような物理的無理をあっさり達成してくれので痛快です。
つげ義春コレクション 近所の景色/無能の人 (ちくま文庫)
ねじ式の次に読みました。実に面白く、つげ義春ファンになりました。「探石行」が一番好きです。貧乏とユーモアと懐かしさとペーソスすべてを兼ね備えた作品に感動です。
ストーリーメーカー 創作のための物語論 (アスキー新書 84)
購入して途中まで読んで、ずっと棚に入れっぱなしでした。
最近、また出して来て、ようやく読破しました。
つまり、ちょっと退屈な本でしたね。
小節などを書いたりするのを、コンピュータに代行させるという発想自体は好きなんですが・・・
記述されている事例なども、なかなか面白く、文章も読みやすいのでとっつき易いのですが、なんとなく無理やり感が強いような印象です。
これでストーリーメーカーになれたら苦労はないよなぁ、って思い始めてしまったら、途端に退屈になってしまいました。
素直な気持ちで純粋に読み進めれば、特に創作などを仕事や趣味にしている方には、かなり参考になるでしょう。
無能の人・日の戯れ (新潮文庫)
きみは無能の人を読んだか。
つげ義春さん独自の無力感、世捨て人感、世間との乖離感
しかし誰もが心の隅にもっている感じをよく、
とらえていて、読む人の心を不安定にさせる傑作である。
現代の方丈記ではないのか。