カウボーイ&エイリアン (ShoPro Books)
【STORY】
舞台は1873年、西部開拓のアメリカ。ヨーロッパからの入植者たちは新天地を勝ち取るために、先住民族(ネイティブ・アメリカン)は先祖代々の土地を守るために攻防戦を繰り広げていた。
だが、そこに新たな敵が出現。人類歴史を変える、壮絶な戦いの火ぶたが今、切って落とされるのだった・・・・・・!
【レビュー】
スコット・ミッチェル・ローゼンバーグ原作により2006年に発表されたグラフィックノベルの日本語版。タイトルの通り、カウボーイ(先住民族も)とエイリアンが攻防を拡げるというストーリ。''&'≠カゃなくて''VS'≠ナも良い気がしないでもない。
西部開拓時代、歴史のとおり入植者達と先住民族の熾烈な戦いが拡げられていた中、突如の宇宙人の襲来。異文化同士が分かり合えない中、さらに理解不能な異文化が入り込んできたことで体勢は大きく変わる。
圧倒的な武力の前に為す術もない地球人側。しかもエイリアンは、灰色の栄養失調気味な子供のような存在ではなく、筋骨隆々な異形な容姿。肉弾戦でも敵わそうなのに、レーザ銃などを所持しているので勝敗は絶望的。
主人公ジークは入植者達の代表である神父に雇われたガンマンで相棒のヴェリティもカウガール。彼ら2人と、先住民アパッチ族の戦士ウォーホーク、この3人を中心にエイリアンへの反撃が始まる。転換期はやはりエイリアン側の武器を使用・活用することになってからで、人間には分不相応な高度な文明ではあるが、それを使いこなすという応用力があるということを示しており、エイアリアン側は思わぬ反撃を被ることになる。
そして何よりも、今まで相容れなかった入植者達と先住民族が共闘し、勝利を勝ち取ることにより、これからはお互いを尊重して生きていこうという流れになる。史実とは少し(エイリアンの存在があるから大分か)違う展開は、過去に実現しなかった事実の理想型とも言える。そしてちょっと面白かったのが、ロマンスのカップリングも異文化だったという点。主人公ジークとエイアリアン側の科学仕官カイ・チャク・ラ(実は正体は・・・)、ヒロインのヴェリティとアパッチ族戦士のウォーホーク。ちょっと唐突なくっつき方ではあったが、違う身分の者同士でも結ばれる、という事も象徴している。
そんなこんなで、色んな要素を詰め込んだ感が満載の今作。画風は良くも悪くもアメリカンコミックといった感じで、好き嫌いは別れるとは思うが、奇抜なストーリーが目を引いたかスティーブン・スピルバーグに『なぜ映画化されなかったのか不思議なほど素晴らしい原作』と称賛され、【アイアンマン】シリーズでお馴染みのジョン・ファブロー監督に『この原作を見つけた時に、すぐにでも取り組むべきだと思った』と言わしめ、彼らによって映画化された。この原作は下敷きとして生かされるものの、ストーリーはちょっと変わるよう。日本でも2011年10月22日より公開されるので、映画原作としてはもちろん、単純に一つの作品として読んでみるのも良いと思う。
AFRO SAMURAI
迫力のある絵柄でありながら、どこか日本画のような止め画のような印象のある独特の絵でした。
アニメ版1&2の後に出版されているので、アニメと同時進行で描かれたものなのでしょうか?
そのおかげで1&2のエピソードが混ざったようなストーリー。
アニメ版を観ている人は、その違いを楽しめるのでは。
風呂敷を広げるだけ広げて、何の説明もなく進行するストーリー。
アニメ版のメジャー感とは異なり、ある意味斬新!
続編があればぜひ読みたいです。
Afro Samurai (XBOX360 輸入版)
ゲーム自体はなかなか面白いのだが、リトライ時のムービーを飛ばせなかったり、X軸の操作が変更できなかったり、カメラ移動にイライラしたりでもったいない作品。
リトライ時、再度ムービーが流れるのは本当にテンポが悪い。
リトライ時のムービーが飛ばせて、X軸の操作変更ができればなかなかの良作だっただけにやはりもったいない。
アフロサムライ:レザレクション [DVD]
岡崎能士原作のアメコミを映画化した、“一番鉢巻”奪取を目指して死闘を繰り広げるサムライ・アクション・ムービー第2弾。前作同様、主人公の黒人剣士アフロとその付き人?ニンジャニンジャの声を、本シリーズにほれ込んで自ら出演を申し出たというサミュエル・L・ジャクソンが担当している。
人物造形や時代考証等にかなりのデフォルメ(ハチマキ長っ!)やフュージョンが施されていた前作に比べると、風景やアフロ以外の人物がかなりおとなしめで全体的に見やすくなっているが、(生真面目なSFジャパニメーションを見ているようで)こじんまりと変にまとまってしまった感じがした。
一番の見どころは、二番鉢巻を保持している七五郎とのねぶた対決?で、後に続くバトルシーンがケツに近づいていくにつれシリつぼみになっていく展開に、多くの観客が消化不良を起こすことだろう。アフロが一番鉢巻を締めたがらない理由についても、本人がほとんどしゃべらないためいまいちわかりにくく、かなりのファザーコンプレックスを持っているということ以外、内面的には何も伝わってこないのだ。
そんなアフロに、市場経済における自由競争に疲れ果てたアメリカ人や日本人の内面を重ねる演出があれば、映画としてはさらに深くなったと思うが、修羅道に自ら身を投じていくアフロの後ろ姿は、どうもヅラをかぶった拝一刀にしか見えてこない。サムライ・ハードボイルドの草分け『子連れ狼』にオマージュをささげるのも結構だが、日本色が強くなってしまった分、作品本来のフュージョンな魅力が削がれたのも事実だろう。