debut
このCDを試聴した時、音の一つ一つがキラキラ☆していて希望に満ちているのに驚きました。
きっと、辻井さんの心の目に映っている世界は演奏と同じように、キラキラした光にあふれているに違いない!と、感じました。
50年近く生きてきて少々疲れ気味の私にはそぐわないかも?と思いましたが、綺麗で希望に溢れた心にあやかりたいと、購入して愛聴しています。
ブラームス:交響曲第1番&第2番&第3番&第4番
カラヤンの良いところは、どれも入り易くて易しく、しつこくなくて飽きが来ないところ。なのにちゃんと胸に来る。このCDもそれに漏れず。 私は、下手に他の指揮者には手を出すのは避けた方がと考えます。いきなり原本に手を出すようなもの。大学図書館等利用し、ゆっくり自分の好みを探しましょう。カラヤンから入った人は、他人に他の指揮者をすすめられると必ず外します。また、コンセルやパリ菅系のクセのある演奏も最初は避けるのが無難。ベルリン、プラハ辺りが優しいかな。
ラフマニノフ:自作自演~ピアノ協奏曲第2番&第3番
録音機材の性能も悪く古い演奏ということを割り引いても、ラフマニノフの曲が好きであれば、お薦めしたい一枚です。自作自演ということで、作曲者の意図が明確に伝わってきます。~
おやすみラフマニノフ (宝島社文庫)
自分は、趣味でピアノを弾くものです。その昔音楽関係の仕事に漠然とあこがれがあったこともあり、「のだめカンタービレ」がヒットした時にはマンガ本を「大人買い」したものです。
書店で平積みになっているこの本を見て、タイトルに惹かれて購入しました(Amazon購入でなくてすみません)。推理小説ですが、人は死にません(正確には、殺人事件は発生しません)。主人公(の一人)と思われた人が話の途中から急にかすんで前面に出なくなってしまったりとか、あなたはアガサ・クリスティーか!みたいな展開だったりとか、推理小説として期待すると、ちょっと肩透かしを食らうかもしれません。
この本は、事件の流れとか推理の筋みちを追う小説ではなくて、文章で表現された音楽を楽しむ小説だと思っては如何でしょう。そう思うと、秀逸です。本を読みながら音楽が聴こえ、あたかも自分が主人公と一緒に「音楽を作っている」気分が味わえます。
著者の同じシリーズの本「〜ドビュッシー」が、音楽小説としてはやや不足なところがあり、逆に推理小説としては(この作品よりは)味わえるのと対照的であるように思えました。
ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番ハ短調&第4番ト単調
アシュケナージは1960年代キリル・コンドラシンと、70年代アンドレ・プレヴィンと(全集として。これも素晴らしい演奏です)録音しています。
以上2種類の録音に比べて、ハイティンク指揮コンセルトヘボウ管弦楽団盤の特色は、
1 深い沈黙から聞こえてくるアシュケナージのピアノがさらに野太く剛毅になっていること。
2 それを支えるハイティンク指揮のオーケストラが、アシュケナージの解釈・音楽を完璧に理解しており、音楽的呼吸の合致度が素晴らしい。
3 オーケストラ自体が深いロシアの大地を髣髴とさせるような濃厚で繊細でメランコリックな音楽的音響、壮大なスケールを併せ持った「ラフマニノフの音」になりきっている(地響きさえしそうだ)こと。
4 1959年録音のリヒテル盤の颯爽とした深遠な演奏も歴史的演奏だが、このアシュケナージ&ハイティンク盤も重厚かつ華麗な演奏として永遠に聞き続けられるだろう。
ということで、文句なしの名演盤です。