グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた
タイトルからすると、昔のソニーは良かった、今のGoogleくらい・・・というような、取りようによっては退職した会社への積年の思いが主に語られているともとれそうだが、実際の内容は全くそうではない。勿論、日本企業の質的な変化や、それに直面したご本人の葛藤などが熱く語られているが、本書の最も重要なメッセージは、「技術革新とは、人間社会の本質的な進化を促す思想や理念によって成されるべきものであり、技術そのものの進歩を求めるのは全く本質的ではない」ということに他ならない。新旧の新しい技術の本質を、ここまでシンプルに、的確に、しかもすんなりと納得できる言葉でつづられている書は、かなり稀なのではないだろうか。読んでいて、その一つ一つが本当にストンと胸に落ちて、とても心地いい。あた、その本質を捉え現実化する能力が、SONYのDNAとして著者の辻野氏に色濃く受け継がれているからこそ、数々の革新的な製品を生み出したファクトがあったことに改めて驚嘆する。「会社」という器の概念そのものが変質している現代において、ある意味この本の行き着く先は、「人が何のために、どのように、何のために働くべきか」という指針を示しているものだとも感じた。素晴らしい本に出会えたことに感謝!
Cocoon
曲のレベルが高いのは勿論のことだが、何よりも彼女独特の透明感のある声と、思わずハッとさせられる歌詞がこのアルバムの完成度をグンと引き上げている。
曲ばかりが主張していて歌詞は曲の上に申し訳程度に乗っているだけというものが多い中このアルバムの楽曲たちの場合、歌詞が曲と同じぐらい強く主張してくる。
これからのやり方しだいでは、現在の音楽界の構図を変え得るだけの力量はあると思うしその可能性もあると思う。彼女の次回作が楽しみである。