悪意 (講談社文庫)
最初に言っておきます。
レビューなど読まずに「悪意」を読んで下さい!!!
この作品は「仕掛け」を知ってしまっては魅力が半減してしまいます。
この本に対する予備知識は無ければ無いだけ良いでしょう。
ですので私はなるべく内容に触れません。
(本当は色々語りたいのですが…)
ただひとつ、悲しく、切ない雰囲気の作品である事だけは書いておきます。
ですので、明るい作品が好きな人にはオススメしません。
今まで面倒くささから本をあまり読んでこなかった私ですが、
こんなにも面白いものもあったのか!と
頭をぶん殴られたような衝撃を受けました。
これを期に他の東野圭吾作品も読んでみようと思います。
それだけの「引力」がありました。
とにかく、面白かったです。
TBS系ドラマ「白夜行」オリジナル・サウンドトラック
何気なく見始めたドラマ「白夜行」ですが
どんどん引き込まれて毎回欠かさず見ています。
映像も綺麗ですが、なによりBGMが素晴らしい!
切なさや悲しさを引き立てるビアノの旋律に心を奪われて
初めてサウンドトラックCDというものを購入しました。
ドラマのクライマックスシーンでよく流れる音楽が一曲目に収録されています。
「世界の中心で、愛をさけぶ」 オリジナル・サウンドトラック
最近テレビドラマをほとんど見なくなったが、久しぶりにハマってしまった。
映画を見た後、テレビドラマになると聞いて、最初はあまり興味がなかったが、たまたまチャンネルを回していたら放送してたので見てみると結構切なく、つい最後までみてしまい、結局次週も見てしまった。そして、このドラマに流れる楽曲に感動し、久しぶりにサントラCDを購入してしまった。
特に「朔と亜紀」は泣けます。そして、癒されます。夏の終わりから初秋に変わる季節に是非お勧めできる楽曲だと思います。
ちなみに、河野 伸氏は以前、モー娘の「I WISH」などの楽曲アレンジを担当したこともあるので、結構有名である。
歪笑小説 (集英社文庫)
面白いです。
笑い、涙、人情、うんちく、社会問題提起、成長、愛、孤独、小説の王道要素全てが奇跡のようなバランスで凝縮されており、こりゃ面白い!完璧!の一言です。
こういう作品があるから読書はやめられねえなあなんて。
巻末のおまけページも仕掛け十分で、ばかばかしいなあなんて笑いつつ、最後の行でそうかあ‥よかったねえ‥なんてちょっと涙腺がゆるんだりとか。
小説で星5つをつけるのは初めてですが、本当は星6つつけたいくらい自信をもってお勧めできる、傑作連作短編集です。
白夜行 完全版 DVD-BOX
プロットは原作に忠実だが、見せ方がまるで違う。
原作では、事実を並べあとは読者に想像させる手法でした。
特に主人公二人の感情、苦悩、人間味というか弱さは全く出てきません。
対して、ドラマではその苦悩に焦点をあて、感情を思いっきり描写しています。
まったく正反対の見せ方です。
これによって主人公の性格がかなり変わっている。
原作では冷徹な印象が強い主人公2人が、苦悩している姿にはかなり違和感を覚えました。
そしてストーリーが全体的にわかりやすくなっています。
このあたりの違いは映像化をする際の工夫でしょう。
小説はいつでも立ち止まって考えることができますが、映像は次々に流れて行ってしまう。
だからこその感情の描写、だからこそのストーリーの簡略化なのでしょう。
これによって、一般受けするようになったと思う。
しかし、それで内容が薄くなったわけではない。
最後はやや失速した感じがありましたが、設定を変えているのである程度は仕方無いでしょう。
私は十分満足でした。
原作の重々しい雰囲気はうまく再現していると思います。
観ていて思わず力が入ってしまうほどです。
演技、音楽、演出どれもが素晴らしいです。
原作とはやや異なる、というよりも、原作で書かれていない行間を映像化しています。
私たちが漠然と想像していたものを具体的に見せている。
主人公の葛藤はとてもうまく描かれていたと思います。
見せないことで高揚感を生み出していた部分をあえて映像化するのはどうなのか と思いましたが、これなら納得の出来です。
私はドラマをみてから原作を読みかえすことによって、初めて意味のわかったところがありました。
白夜行の別視点、アナザーサイドという表現が一番しっくりくるのではないでしょうか。
原作とドラマ、合わせておすすめです。