購入してから1年以上たちました。
　空調服を購入した際に興味を持って同社製品であるこれを手に入れました。本来はカーシート用なのですが、コネクタをUSB変換してPCチェアに使用しています。(現行品では最初からUSB端子がついているので改造の必要なし)オフィスチェア用として売られているものは座面のみだったので、これが背中まで涼しくてちょうどよかったです。

　蒸れや暑さ対策に以前はアーロンチェアやコンテッサなどのメッシュチェアを使っていましたが、メッシュ部分はともかくフレーム部分が身体にあたって違和感を感じるのであまり好きになれませんでした。でもこのカークールクッションを使うのなら、ファブリックチェアのフィット感とメッシュチェアの快適さが両立できるのではと思い実践することに。

　そしてさっそく購入。届いたブツの座面幅は40センチほど、背面部の幅は写真では狭く見えますが実際には31センチほど、長さも50センチほどありますので座面背面共に身体の接触面すべてをカバーでき、ハイバックの背もたれにもたれかかってもまったく問題ありませんでした。カークールクッションに標準でついているズレ止めストッパーはPCチェアには使えないので、PCチェアの座面にホームセンターで売られている滑り止めを敷き、座面と背面の折り目の部分には棒を紐で取り付けてズレないようにしてやりました。

　仕組みとしては簡単で、イスのクッションと身体の間にスペーサーで隙間を設け、その隙間にファンで風を流すことによってこもった熱を排出し、汗を蒸発させる際の気化熱で体を冷やすといったものです。本来の車用としては熱がこもりやすく蒸れやすい革のシートには非常に有効な品だと思います。

　実際にスイッチを入れてみてその涼しさに感動。下についたファンが空気をどんどん吸い込み、背もたれ上部に開けられたメッシュから排気されます。布地からも微妙に空気が漏れ出て体を冷やしてくれます。今までお尻や背中の蒸れに悩まされていましたが、これを使い始めてからその悩みからは完全に解放されました。椅子と身体の接触面に汗をかくことがなくなり、実に快適です。座面などにたまる熱気って想像以上に影響があったのだと改めて驚きましたよ。考えてみれば椅子の座面や布団なんてものはものすごい厚着をしているのと同じ状態なわけですから、暑くないわけがないのですよね。これと扇風機のみで夏は楽勝で乗り切れます。私の場合はエアコンは全く必要なくなりました。

　デメリットとしてはやはりスペーサーがプラスチックなので固く、少しゴツゴツ感を感じることですね。このへんは快適さとのトレードオフといったところでしょう。私はじっとりと汗をかくあの不快さに比べればこの程度は些細な事だと思っています。クールクッションの下になにか柔らかめのマットを敷くことでサスペンションの役割をして、緩和させることは可能かもしれません。

　それと室温が35度以下…つまり体温よりも下の時にはUSB直結の5ボルト定格運転では寒いくらいですね。吹き付ける風でキンタマが冷えすぎて痛いです…。抵抗でも買ってきて仕込むか、ファンの回転速度が減速調整できるUSBアダプターがオプションで売られはじめた（ただし現行品は最初から付いている）ので追加購入しようかと思いましたが、ふと思いついたことを実行することに。それはファンが空気を吸い込むように取り付けるのではなく、エアコンマットそよのファンのように排気するように裏表逆に取り付けること。つまり本来はファンで吸気して上のメッシュ部や布地から排気するのを、逆の流れにしてやるわけです。こうしたら一気に解決。今までは回し過ぎの扇風機のように風が体を過剰に冷やすことがありましたが、こうしてからは余分に身体から出た熱のみを奪うような感じとなり、低温下でも高温下でも等しく快適になりました。涼しくする…ではなく、暑くならないようにする、という使い方です。手間を惜しまなければ30〜35度くらいの季節には排気に、36度以上の季節には吸気になるように取り付けてやるとより快適に過ごせるようです。30度以下の時には別にファンを回さなくてもスペーサーの自然空気循環だけで十分快適です。

　改良手順は簡単で、まず添付の説明書にあるとおりツメを押さえて固定リングを外してやり、ファンを裏表逆に取り付ける。次に内部のスペーサーがファンの所まで来ていないために布がファンに吸い付いてしまってうまく空気を排出できなくなるので、洗濯バサミなどをスペーサーの端に挟むなどしてファンの吸気部にうまく空気の通る空間を確保してやるだけです。（追加イメージ参照）別に加工も必要ないので、試しにやってみてもいいと思いますよ。

　あと、カーシートではなくPCチェアに使用する場合にはうっかりコードに足を引っ掛けたり、椅子を引きすぎたりして断線させてしまう危険がありますので、コードの取り回しには注意が必要です。私はホームセンターでリール付きのキーホルダーを購入してきて、それをコードに取り付けてたわませるように取り付け、もしコードに足を引っ掛けてしまった場合にはそれが伸びて緩衝してくれるという仕組みを作りました。これはゴムひもなどでも代用できると思います。

　ちなみに他社から売られているものに似たようなファン付き座布団で安価なものがありますが、購入時には気をつけてください。空気が噴き出すのがごく狭い幅でしかなく内股しか冷やしてくれなかったりします。内股は涼しいけど太ももは暑いとか。空調服製のこれはそういうこともないので安心です。