モダンタイムス(上) (講談社文庫)
作家とのファーストコンタクトの作品が、自分好みではなかったため
氏の著書にはしばらく手を付けていなかったのですが
レビューを見て興味をそそれらました。
報道されていることが全ての真実とは限らない。
「最近、中学生絡みの事件が多い」「いや、以前からあったが取りざたされていなかっただけだ」
視聴者の興味を惹く事例だけを集中的に報じられることはあるし、でっちあげだってあり得る。
みな社会や組織の歯車の一つに過ぎない。
全体像は個々には分からないこともある。
小気味良い文章で、サクサク読めました。
物語の展開も大変面白かったです。
文庫本のあとがきによると、単行本に少し手を加えられたそうで、そちらも気になります。
氏の著書にはしばらく手を付けていなかったのですが
レビューを見て興味をそそれらました。
報道されていることが全ての真実とは限らない。
「最近、中学生絡みの事件が多い」「いや、以前からあったが取りざたされていなかっただけだ」
視聴者の興味を惹く事例だけを集中的に報じられることはあるし、でっちあげだってあり得る。
みな社会や組織の歯車の一つに過ぎない。
全体像は個々には分からないこともある。
小気味良い文章で、サクサク読めました。
物語の展開も大変面白かったです。
文庫本のあとがきによると、単行本に少し手を加えられたそうで、そちらも気になります。
モダン・タイムス (2枚組) [DVD]
海外のコメディはベタで苦手なので避けてきたが、これは普通におもしろかった。
これからチャップリンの作品をまとめて見てみようと思えた。
チャップリンにとって、笑いと涙は、人の心を動かすという意味で同じような意味合いだったのではないか。
それほど喜劇性とヒューマニズムがよく融合している。
また、彼の完璧主義や技術的なこだわりはローラースケートの場面などにもよく出ている。
マイケル・ジャクソンなどと同じく、幼少の頃から徹底して仕込まれたプロフェッショナルだというのがよくわかる。
ローラースケートの技術の高さ(そのための徹底した努力)だけでも見る価値があると思う。
この作品当時にはチャップリンはすでに巨万の富を築いていたはずだが、それでも最後まで権力者と金持ちに対する風刺を止めなかったのはすごいと思う。
それほど幼少期の極貧生活の印象が鮮烈だったのか。
結果として彼は後年共産党員と疑われてアメリカを追放されるわけだが、そうした自己の信念に対する想いの強さが、作品をただの喜劇ではなく、芸術作品として高度なものにしているように思う。
*ユーザー名で批評ブログも書いているのでよかったら見てください!
これからチャップリンの作品をまとめて見てみようと思えた。
チャップリンにとって、笑いと涙は、人の心を動かすという意味で同じような意味合いだったのではないか。
それほど喜劇性とヒューマニズムがよく融合している。
また、彼の完璧主義や技術的なこだわりはローラースケートの場面などにもよく出ている。
マイケル・ジャクソンなどと同じく、幼少の頃から徹底して仕込まれたプロフェッショナルだというのがよくわかる。
ローラースケートの技術の高さ(そのための徹底した努力)だけでも見る価値があると思う。
この作品当時にはチャップリンはすでに巨万の富を築いていたはずだが、それでも最後まで権力者と金持ちに対する風刺を止めなかったのはすごいと思う。
それほど幼少期の極貧生活の印象が鮮烈だったのか。
結果として彼は後年共産党員と疑われてアメリカを追放されるわけだが、そうした自己の信念に対する想いの強さが、作品をただの喜劇ではなく、芸術作品として高度なものにしているように思う。
*ユーザー名で批評ブログも書いているのでよかったら見てください!
モダンタイムス (Morning NOVELS)
伊坂氏らしい、リアリティとファンタジーが絶妙にブレンドされた作品。怖ろしい妻のキャラクターや友人の井坂好太郎の存在など、一部でやり過ぎなのでは・・と思われるほどフィクションっぽい味付けがある一方で、人生や生活におけるインターネットと情報の重要度が際限なく上がっていくという近未来の設定には有無を言わさぬ説得力とリアリティがあった。「人は、分からないことに出会ったら何をする?」という問いに対する回答として、ごく自然に「そりゃ検索だろ」というセリフがあってはっとしたのだけれど、2010年の現在において既にその答えは十分に正しいと思う。日常生活でふと湧き起こる様々な疑問について、かつて−ほんの15年前には解決する手段はほとんど皆無だった。情報はいつでも断片的にしか存在せず、何か疑問があったからといってそもそも「誰に聞けば良いのか」ということからしてまったく分からないというのが実情だった。確定申告の方法や魚の捌き方、好きなタレントの近況、捺印と押印の違いなど、日常ふと浮かんでくる疑問で、ネットを検索してまったく答えがないことはほとんどないと言っても過言ではない。本作において伊坂氏の視点が秀逸なのは、検索という行為を逆の側から見た場合、入力されたキーワードによって入力した人間の情報を吸い上げることが可能だという部分に踏み込んだ点にあると思う。googleという世界企業の利益の根幹ともなっているこの極めてシンプルな事実は、インターネットによって世界が変わる中で計り知れないほど重要な意味をもっていると思う。その人間が何に興味をもっていて、その分野においてどの程度の知識をもっているのか・・。この情報は、時として住所や電話番号といった単純な個人情報よりも重要な意味をもつ。本作が鋭く指摘したように、検索を通じて政府が危険分子をあぶりだすという図式は、それが実行可能と思えるだけに不気味であるし預言的ですらあると言える。とここまで褒めておいて評価が3.5点なのは、本作が社会学的に重要なテーマに踏み込んだ秀作になり得た反作用として、エンターテイメント小説としての要素が多分に犠牲になった感があることに起因する。例えば「妻」のキャラクターは最初からある秘密の存在を示唆していたが、最後までその秘密的部分への種明かしはなく、「ん?なんだったんだ、一体。」というすっきりしない感覚があった。本作は「魔王」の(かなり時をおいた)続編であり、いったんは魔的な天才の支配する社会を描こうとした伊坂氏が、この複雑極まりない社会を一人の人間が制御するという設定に限界とウソ臭さを感じ、より現実的な魔王(コンピュータシステムそのもの)に主役を移した作品だと思っている。ひょっとするとまた20〜30年経った後の世界を舞台にした続編が生まれてくるかもしれない。そしたらまた読みたい。
モダンタイムス(下) (講談社文庫)
伏線に次ぐ伏線。
伊坂幸太郎の真骨頂が出ています。
少しづつ判明していく事実。
そしてそれがどうにも出来ない事実・・・。
その中で主人公達が出す判断には、割り切った気持ちよさを感じます。
テーマや内容としては少し重い話でも、痛快で爽快な話にしてしまうのは
伊坂幸太郎の素晴らしさではないでしょうか。
チャップリンの「モダンタイムス」の題が本書にぴったりだと感じます。
本書のキーワードの一つになってる「勇気」。
この大事さを痛感し、そして一歩踏み出す勢いと、その先にある自由を本書の中に見出せます。
前作「魔王」の登場人物も多く出演し、懐かしさもこみあげ、再度「魔王」が読みたくなりました。
楽しく考えさせられながら読める本です。
ドキドキハラハラもあり、長編ではありますが、
サクサク読んでいけると思います、是非一読頂けたらと思います。
伊坂幸太郎の真骨頂が出ています。
少しづつ判明していく事実。
そしてそれがどうにも出来ない事実・・・。
その中で主人公達が出す判断には、割り切った気持ちよさを感じます。
テーマや内容としては少し重い話でも、痛快で爽快な話にしてしまうのは
伊坂幸太郎の素晴らしさではないでしょうか。
チャップリンの「モダンタイムス」の題が本書にぴったりだと感じます。
本書のキーワードの一つになってる「勇気」。
この大事さを痛感し、そして一歩踏み出す勢いと、その先にある自由を本書の中に見出せます。
前作「魔王」の登場人物も多く出演し、懐かしさもこみあげ、再度「魔王」が読みたくなりました。
楽しく考えさせられながら読める本です。
ドキドキハラハラもあり、長編ではありますが、
サクサク読んでいけると思います、是非一読頂けたらと思います。