これは映画館で連チャンで２度観たほど、思い入れの強い映画。懐かしいです。

海で男たちに襲われそうになった女の子を助けたサーファーが、その彼女に恋をするが何故か彼女は謎めいた「人探し」を手伝うよう、まだ知り合ったばかりの彼に懇願する。

彼女からの依頼を断りきれない彼は、手がかりの少ないままその人物を探し始めるのだが・・・というストーリー。

野村宏伸と河合美智子の「角川コンビ」が若い恋人同士を演じ（当時２１歳と１８歳）、純粋ゆえに深い傷を負う恋のお話に涙が止まらず、最後のエンドロールがかすんで見えたほど。近くにいた３０歳ほどの大人の男性がラストで号泣していたのが思い出される。

まだ「トレンディー俳優」になる前の石田純一が、河合美智子の元カレ役で出演してます。あと彫刻師役の故高橋悦史と野村宏伸の母親役加賀まりこが脇に陣取り、若い２人とは対照的な抑え気味の大人の演技で場を盛り上げています。

主題歌を唄った大貫妙子がまるでヒロインの心情を映し出すような歌を聴かせ、もうパーフェクトの出来。角川映画の中では個人的に１番の映画。原作と比べてはエンディングがちょっと変化しています(残念ながら原作は廃版）。

劇中、河合美智子のヌード・シーンが結構出てきますけど、彼女ならではですか、いやらしさが無く自然に観れます。中盤に野村・河合の２人が初めて結ばれるベッド・シーンもあります。ぎこちない動きがとても切なくて、こんな悲しい愛し方があるのかと。その後の２人の未来が暗示されています。

８７年の映画なので時代の流れはある。大人になった今、また観たくなる映画です。