私が中学生の頃に買ってもらったラジカセで初めてエアチェック（死語？）したFM放送が「小室等の音楽夜話」で、その時流れていたのがこのアルバムの曲でした。
谷川俊太郎氏の詩の魅力をいっそう引き出す曲のすばらしさもさることながら、バックミュージシャンとして、ムーンライダースや矢野顕子と言った当時の
若手ミュージシャンが才能を遺憾なく発揮したアルバムでもあります。タイトル曲の「いま 生きているということ」や「お早うの朝」などの名曲も素晴らしいですが、
フィドルの音色が印象的な「たかをくくろうか」（曲中のブレイクはタンバリンを投げてタイミングをはかったとのエピソードを当時の小室氏が語っていました）、
情感あふれる曲を引き立てる矢野顕子のピアノも印象的な「夏が終る」、ビルのロビーでの弾き語りで偶然入ったエレベーターの音も効果音のように聞こえる
「それから?」など、聞き返すたびに新しい発見のあるアルバムです。懐かしさだけでなく、古びることのない小室等の音楽の世界を味わうことのできるアルバムです。