その圧倒的なセンス、テクニックで、シーンでの存在感がほぼ定着した感のあるROY。
国は違えど同年代でもあり、彼の雑食性はよく理解できるものの、やや器用貧乏なところが際立ってしまっていて、それが逆に聴き手の幅を制限している気もします。
バリバリの4、ヨーロッパでのセッション、打ち込みなんかのミクスチャーでも…。
この幅広さについていけなくなる、根っこを見失わせる、そんな意表を突くことをROY自身が楽しんでるかもしれない、とか、単に真摯に追求しているだけなのかとか考えるのも楽しい。
そこで本作。キューバ。大人数。楽しいです!こちらのほうに馴染みのない方は是非。
結局彼自身はいつも「音楽」を色々試しながらやってるだけ、気持いいものを探し続けているだけ、なのがよく分かります。
しかし何をやっても知性を隠せませんね。でも、流石に滾る熱い血は抑え切れないのか、クールなままではないです。
一定のクオリティを保っていてハズレにはなりませんが、せっかくのライヴ盤、もっと爆発感があってもいいかなあ、と星3つ。個人的な期待は大きいですからね。
しかし、GRAMMYだったかNOMINEEだったか、の作品でもあるのに、こういうのを長く売っていただかないとROY自身の評価にも支障はあるように思いますが、如何でしょうか。