私は筋金入りのファンというわけではありませんが、
キャリアが長くなってもブレずに１つの音楽をやり続けている点で尊敬するアーティストです。

欠点だとは思いませんが、今作については押しの強い曲やフックのある曲は少ない気はします。
個人的には、前作「ABBOT KINNEY」は乾いた空気感や抜けるような高い空を感じさせる作品でしたが、
それに比べると少ししっとりしたかなという感触。

抽象的ですが、上を見上げて感じる世界の広さやそこに響く音のダイナミックさよりも、
しっかり足元を見つめているような、ひたむきで穏やかさのある音を重視したような感じでしょうか。

とはいえ、多少表面の味付けが変わっても核は変わっていません。
結局、他の何者にも聞こえない、ラブサイケデリコにしか聞こえないというのはすごいことだと思います。
ほめ言葉としての「大いなるマンネリ」をこれからも体現し続けてほしいです。