可愛い世の中
派遣社員の花 35歳
芳香剤のメーカー勤務の豆子 32歳
ニートの草子 27歳
主婦の星 24歳
この四姉妹の次女 豆子のストーリーです。
この豆子さん かなり面倒くさい。
自分を「ぶす」と思い、「人にこう見られたい」の欲求が強く
結婚式では自分の経済力を誇示したいと考え
妹の星が持って来てくれた洋服は受け取らない
豆子さん自身、ひとつひとつの行動や言葉をきちんと考えて行動するタイプ
それはメールに添付する絵文字もまた然り
共感出来る部分はありましたが、その自意識過剰ぶりには辟易する場面も
かなり面倒くさいキャラではありますが、意外と近い人もいる様な
リアリティーも醸し出していました。
肝心の「香りのビジネス」の部分は最後はしょられた感が残りましたが
人の価値観って本当に人それぞれだと実感した1冊
芳香剤のメーカー勤務の豆子 32歳
ニートの草子 27歳
主婦の星 24歳
この四姉妹の次女 豆子のストーリーです。
この豆子さん かなり面倒くさい。
自分を「ぶす」と思い、「人にこう見られたい」の欲求が強く
結婚式では自分の経済力を誇示したいと考え
妹の星が持って来てくれた洋服は受け取らない
豆子さん自身、ひとつひとつの行動や言葉をきちんと考えて行動するタイプ
それはメールに添付する絵文字もまた然り
共感出来る部分はありましたが、その自意識過剰ぶりには辟易する場面も
かなり面倒くさいキャラではありますが、意外と近い人もいる様な
リアリティーも醸し出していました。
肝心の「香りのビジネス」の部分は最後はしょられた感が残りましたが
人の価値観って本当に人それぞれだと実感した1冊
ボーイミーツガールの極端なもの
すべての恋が、いい恋だ!
すべての恋が、極端だ!
第一話 処女のおばあさん
第二話 野球選手の妻になりたい
第三話 誰にでもかんむりがある
第四話 恋人は松田聖子
第五話 「さようなら」を言ったことがない
第六話 山と薔薇の日々
第七話 付き添いがいないとテレビに出られないアイドル
第八話 ガールミーツガール
第九話 絶対的な恋なんてない
エピローグ
の10話を収録。どれもタイトルセンスが素晴らく、ただそれだけで読みたくなる。
作者も編集も恋愛小説を謳っているが、
恋愛小説だったり、そうじゃなかったり、
ボーイミーツガールを主題にしているが、ボーイミーツガールじゃないほうが圧倒的に多かったり、
そもそもボーイもガールもほとんど出てこなかったり、いきなり老婆が主役だったり、
とにかくタイトル通り、本当に極端な小説。極端すぎる。ある意味ではタイトル詐欺。
極端だし、極端であろうとする。そんな短編集で、まともな話は、ひとつもなかった。
文章は普通だが書いてある内容や着眼点は相当斬新で、
これはナオコーラにしか書けない小説だよなあと感心。
かなり波のある作家だが、これまでの最高傑作のひとつ。
連作短編だけに、全話が密接にリンクしているのが面白い。
文章量は少なく、写真とその裏面、解説で1話に3P使っているので、非常にサクサク進み、テンポは非常に良かった。
(小説だが各話、キーになるサボテンのカラー写真が解説つきで登場し、これまた珍しい。だが、サボテンのストーリー上に於ける意味は、正直わからなかった。特に意味はないのかな?)
非常に面白かった。良作。
以下に各話の簡潔レビュー(というより、読了した人向けの感想。まだ読んでない人には意味不明だろう)を記す。
タイトルからいって、作者のセンスが炸裂していて、
見るだけでおもしろそうだ。
第一話 処女のおばあさん
タイトルのインパクトが絶大(笑)。
ボーイミーツガールといいながら、いきなり老婆が主人公(笑)。お相手も中年男性。
主人公はおばあさんとなっているが精神的に若いと自認しており、
かなり独特の恋愛観を持っていて、楽しい。
第二話 野球選手の妻になりたい
1話で真っ当だった姪っ子が主人公。恋愛小説なのに、既にお相手がいない(笑)。
真っ当かと思いきや相当ぶっ飛んだ個性の持ち主で…最終的には真人間になってよかった。
そういえば、交換ノートのお相手は誰だったのか?
第三話 誰にでもかんむりがある
これも恋愛というより親子愛がメインテーマな気がする。
ここで唐突すぎる展開のオンパレードで、夢オチか、まるで打ち切り漫画のような高速展開にオドロく。
だがオチもしっかりとつけ、最終的にはアダルトな恋愛観に落ち着いた。
第四話 恋人は松田聖子
またもお相手がいない(笑)。恋愛というより青年の挫折ストーリーだが、
これを恋愛と表現するところが、作者の凄さだ。
また、amazonの購入者リストに、松田聖子の本があって笑った。
確実にこの話の影響だろう(動画サイトですぐ聞ける歌のCDではなくて、経歴を知れる本というのが、なんとまた)。
第五話 「さようなら」を言ったことがない
4話主人公の弟である、これまた恋愛というより特殊な病気の天才青年の悩ましい人生小説。
ヒロインが自殺してしまう展開と、それを主人公のせいだと認めない父親が悲しい。
兄貴が最後にネットビジネスで成功してて、なんか笑ってしまった。
第六話 山と薔薇の日々
3,4話の父母が主人公。そうきたか!と唸った。
3話同様の超展開に驚く。まさかの天国編だとは…。
しかも実は登っていた山がサボテンだったとは。
サボテンの山で摘んだ薔薇をプレゼントしたら、尚綺麗だったかも。
あの後、長男はまだしも、次男はちゃんとやれたんだろうか…。
第七話 付き添いがいないとテレビに出られないアイドル
これまた面白い設定の話。どうせネットネタをやるなら、4話とリンクさせてほしかった。
少女の再生ストーリー、従姉妹の友情ストーリーかと思いきや、コメディタッチなのに、最後のオチはなぜか唐突にブラック。
第八話 ガールミーツガール
7話のどんでん返し。実は2人ともレズで、お互いを嫉妬させるためにやっていたという…。
かなりキレたラストだが、連載版はここで終わりだというのだから、凄い話だ。
第九話 絶対的な恋なんてない
フラれたイケメン俳優が主役。正直レズの後なのでホモネタなのは読めたが、
社長のプラトニックラブは有る意味で、この小説で一番綺麗な恋かもしれない。
相手に一切の何も求めないという…。
エピローグ
すべてをつなぐ最終話は、「小さな森」の店主が主役。
最後はかなり綺麗だった。
3人娘の若い子は、義理の父であるムラサキとはうまくいってるんだろうか(まさか野球選手どころか、ニートと結婚するとは)。
一番年上の子は、いまだに片思いを続けてるんだろうか。
真ん中の子は、夫とは破綻してないんだろうか。
微妙に疑問を残しつつ、終幕。
唯一の欠点は写真がボケボケで、しかも実物大が連想できないことかな。
人間サイズのサボテンなんて、生で見たことがある人のほうが少ないだろう。
すべての恋が、極端だ!
第一話 処女のおばあさん
第二話 野球選手の妻になりたい
第三話 誰にでもかんむりがある
第四話 恋人は松田聖子
第五話 「さようなら」を言ったことがない
第六話 山と薔薇の日々
第七話 付き添いがいないとテレビに出られないアイドル
第八話 ガールミーツガール
第九話 絶対的な恋なんてない
エピローグ
の10話を収録。どれもタイトルセンスが素晴らく、ただそれだけで読みたくなる。
作者も編集も恋愛小説を謳っているが、
恋愛小説だったり、そうじゃなかったり、
ボーイミーツガールを主題にしているが、ボーイミーツガールじゃないほうが圧倒的に多かったり、
そもそもボーイもガールもほとんど出てこなかったり、いきなり老婆が主役だったり、
とにかくタイトル通り、本当に極端な小説。極端すぎる。ある意味ではタイトル詐欺。
極端だし、極端であろうとする。そんな短編集で、まともな話は、ひとつもなかった。
文章は普通だが書いてある内容や着眼点は相当斬新で、
これはナオコーラにしか書けない小説だよなあと感心。
かなり波のある作家だが、これまでの最高傑作のひとつ。
連作短編だけに、全話が密接にリンクしているのが面白い。
文章量は少なく、写真とその裏面、解説で1話に3P使っているので、非常にサクサク進み、テンポは非常に良かった。
(小説だが各話、キーになるサボテンのカラー写真が解説つきで登場し、これまた珍しい。だが、サボテンのストーリー上に於ける意味は、正直わからなかった。特に意味はないのかな?)
非常に面白かった。良作。
以下に各話の簡潔レビュー(というより、読了した人向けの感想。まだ読んでない人には意味不明だろう)を記す。
タイトルからいって、作者のセンスが炸裂していて、
見るだけでおもしろそうだ。
第一話 処女のおばあさん
タイトルのインパクトが絶大(笑)。
ボーイミーツガールといいながら、いきなり老婆が主人公(笑)。お相手も中年男性。
主人公はおばあさんとなっているが精神的に若いと自認しており、
かなり独特の恋愛観を持っていて、楽しい。
第二話 野球選手の妻になりたい
1話で真っ当だった姪っ子が主人公。恋愛小説なのに、既にお相手がいない(笑)。
真っ当かと思いきや相当ぶっ飛んだ個性の持ち主で…最終的には真人間になってよかった。
そういえば、交換ノートのお相手は誰だったのか?
第三話 誰にでもかんむりがある
これも恋愛というより親子愛がメインテーマな気がする。
ここで唐突すぎる展開のオンパレードで、夢オチか、まるで打ち切り漫画のような高速展開にオドロく。
だがオチもしっかりとつけ、最終的にはアダルトな恋愛観に落ち着いた。
第四話 恋人は松田聖子
またもお相手がいない(笑)。恋愛というより青年の挫折ストーリーだが、
これを恋愛と表現するところが、作者の凄さだ。
また、amazonの購入者リストに、松田聖子の本があって笑った。
確実にこの話の影響だろう(動画サイトですぐ聞ける歌のCDではなくて、経歴を知れる本というのが、なんとまた)。
第五話 「さようなら」を言ったことがない
4話主人公の弟である、これまた恋愛というより特殊な病気の天才青年の悩ましい人生小説。
ヒロインが自殺してしまう展開と、それを主人公のせいだと認めない父親が悲しい。
兄貴が最後にネットビジネスで成功してて、なんか笑ってしまった。
第六話 山と薔薇の日々
3,4話の父母が主人公。そうきたか!と唸った。
3話同様の超展開に驚く。まさかの天国編だとは…。
しかも実は登っていた山がサボテンだったとは。
サボテンの山で摘んだ薔薇をプレゼントしたら、尚綺麗だったかも。
あの後、長男はまだしも、次男はちゃんとやれたんだろうか…。
第七話 付き添いがいないとテレビに出られないアイドル
これまた面白い設定の話。どうせネットネタをやるなら、4話とリンクさせてほしかった。
少女の再生ストーリー、従姉妹の友情ストーリーかと思いきや、コメディタッチなのに、最後のオチはなぜか唐突にブラック。
第八話 ガールミーツガール
7話のどんでん返し。実は2人ともレズで、お互いを嫉妬させるためにやっていたという…。
かなりキレたラストだが、連載版はここで終わりだというのだから、凄い話だ。
第九話 絶対的な恋なんてない
フラれたイケメン俳優が主役。正直レズの後なのでホモネタなのは読めたが、
社長のプラトニックラブは有る意味で、この小説で一番綺麗な恋かもしれない。
相手に一切の何も求めないという…。
エピローグ
すべてをつなぐ最終話は、「小さな森」の店主が主役。
最後はかなり綺麗だった。
3人娘の若い子は、義理の父であるムラサキとはうまくいってるんだろうか(まさか野球選手どころか、ニートと結婚するとは)。
一番年上の子は、いまだに片思いを続けてるんだろうか。
真ん中の子は、夫とは破綻してないんだろうか。
微妙に疑問を残しつつ、終幕。
唯一の欠点は写真がボケボケで、しかも実物大が連想できないことかな。
人間サイズのサボテンなんて、生で見たことがある人のほうが少ないだろう。
指先からソーダ (河出文庫)
エッセイも、山崎ナオコーラにかかると、エッセイではなくなってしまう。
物語のような不思議な感じで、その先に触れてしまいたくなる。
でも、きっときっと指先がその先に触れたら、ソーダの泡のようにシュワシュワとかき消えてしまうんだろうなぁ。
わずか数頁のエッセイは、彼女の探究の場であり、情熱の欠片であり、創作の源泉でもある。
ひとつのお話がすごく短いので、電車の中とか、ちょっと時間が空いたときに読めるのもいい。
そんな手軽さも、山崎ナオコーラ的ですごく好きだなぁ。
読めば読むほど好きになる。
物語のような不思議な感じで、その先に触れてしまいたくなる。
でも、きっときっと指先がその先に触れたら、ソーダの泡のようにシュワシュワとかき消えてしまうんだろうなぁ。
わずか数頁のエッセイは、彼女の探究の場であり、情熱の欠片であり、創作の源泉でもある。
ひとつのお話がすごく短いので、電車の中とか、ちょっと時間が空いたときに読めるのもいい。
そんな手軽さも、山崎ナオコーラ的ですごく好きだなぁ。
読めば読むほど好きになる。